ロックを聴き始めた最初期の頃、ご多分に漏れずビートルズを聴いていた。

3つ上の兄が不在の時、兄のコレクションの中からレコードをこっそり抜き取って聴くことが多く、その中に何枚かビートルズのレコードがあったってだけのことなのだが。


ビートルズにのめり込む前にベイ・シティ・ローラーズに夢中になってしまった自分が、改めてビートルズのアルバムを聴きこむようになったのは40歳を過ぎてから。その時に初めて、英国本国のデビュー・アルバムがプリーズ・プリーズ・ミーだったと知る。

で、そのデビュー・アルバムを聴いてみてもどうもしっくりこない。自分が知るデビュー・アルバムの曲と何か違うぞ・・・と。

あっ、自分の家にあったのはこっちのジャケットだったとウィズ・ザ・ビートルズを聴くも、やはり違う。

兄のコレクションにあったのが日本独自の編集盤のデビューアルバム"ミート・ザ・ビートルズ"だったと知ったのはかなり後になってから。もう一枚、オールディーズっていうのもあったが、こちらは英国で1966年にリリースされたベストアルバム。

どちらもCD化に合わせ姿を消すことになる。

で、最近どうしてもそのミート・ザ・ビートルズが聴きたくて●●オクで探してみると、程度が良さそうなのものはまぁまぁな値段。何週間かちょろちょろ覗き1,000円で出品されているものを見つけ、運よく落札。


で、届いたものを早速開封。


ジャケットを見てみると確かにあの写真だが、なんか違う風。

裏ジャケットもあれ?こんなのだったっけ?しかも見開きになっている。

昔、家にあったのは見開きじゃなかったような・・・。


で、もう一度●●オクなんかで出品されているものをじっくり見てみると、同じミート・ザ・ビートルズでも微妙にジャケットが違っているのがあることが判明。

今回落札したやつのBEATLES!の文字はゴールドだが、もうひとつ赤色のものがある。

あぁ、兄が持っていたのはこっちの赤のほうだと、ここでようやく気が付いた。



そういえば自分が持っているアルバムの中にもいくつかジャケット違いのものがあったよな・・・
ということで、そんな中からいくつかを。


■HAVANA 3AM/HAVANA 3AM

クラッシュ解散後にベーシストのポール・シムノンが結成したHAVANA 3AMのデビューアルバムはここ日本で録音され、4人のメンバーが並ぶモノクロ写真のジャケット。


ボーカルのナイジェルの死によりこの一枚限りで解散となったが、ある日、レコードショップでクラッシュのコーナーに飾られた見慣れぬジャケットのHAVANA 3AMのCDを見つける。

プライベート盤かと思い店主に尋ねると、こちらは彼らのデビューアルバムの英国盤で、日本盤とはジャケットが違うが収録曲は同じであることを教えられる。せっかくなので買って帰り、家で聴いてみると何曲かで微妙にアレンジが違っている。なぜそんなことになったかは知らないが、ファンとしてはそんな違いもちょっとしたサプライズで嬉しいもの。


ジャケットは英国盤に軍配か。


自分はクラッシュ解散後の各メンバーの作品群の中でも一番気に入っているアルバムで、パンク、ロカビリー、レゲエ辺りがひと通り好きな方には堪らない一枚。


ポールは今年、ギャレン・エアーズとのポップ・デュオGALEN & PAULとしてのデビューアルバムをリリース。

パンクテイストを期待すると肩透かしを食らうが、極上のポップ・アルバムに仕上がった本作は真夏のひと時に清涼感を味わえるおススメの一枚。


それにしても2023年、まさかポールの新作が聴けるとは(涙)



■青春の記念碑/BAY CITY ROLLERS

当時、彼らの最初期の名曲を集めた2枚組のベスト盤があることを知った時には、すでにどこにも売られておらずかなり落胆したのだが、ほどなく再発。

しかも初盤にさらにアルバム未収録の2曲を加えた全26曲で。

それまで聴くことができなかった初代ボーカリストであるノビー・クラークが唄うサタデー・ナイトと朝まで踊ろうが収録されていたことに当時どれだけ狂喜したことか。

初盤と再発盤でジャケットの大枠はそっくりだが、バンド名の字体やイラスト、メンバーの写真に違いがあることを知ったのはかなり後になってから。

10年以上前にリリースされた紙ジャケCDはかなり高額取引されているので、興味のある方には初盤、再発盤ともに格安なレコードの方がお薦め。


■VIRGIN KILLER/SCORPIONS

開脚気味に座った全裸の少女が印象的なジャケットの彼らの代表作。(貼付写真は自己規制)


この無修正のジャケットは、各国で物議を醸し差し替え措置がとられたらしいが、ここ日本はそのまま発売された数少ない国のひとつらしい。
2000年代に入り、ここ日本でも何の変哲もないメンバー写真のジャケットに差し替えされた。

これ以降、オリジナルジャケットのレコード、CDともに、かなり高額で取引されている。ほんの数年前まではブ●ク●フでは500円コーナーにあったんですけどね。


オープニング・ナンバーの幻の肖像はハード・ロック・ファンではない自分でもグッとくる名曲。



■らいむらいと/甲斐バンド

1974年にリリースされた甲斐バンドのデビューアルバムのジャケットは、タキシードを着てシルクハットを被った甲斐よしひろが銃を自身のこめかみに当てているものだが、CD再発に当たって萩原望都のイラストに差し替えられている。理由がなぜなのか、コアなファンではない自分には不明。

フォークよりな初期作品の中にあってさえ、かなり異色で貴重な一枚では?


まだまだジャケット違いなアルバムはありそうですが、今日のところはこの辺で。


で、さっき気が付きましたが、2年半ほど前にもジャケットについて語ってました。
しかもHAVANA 3AMが被ってる・・・


今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。