ちょくちょく覗かせていただいているブロガーさんの記事で卯年にちなんでウサギネタのレコードを取り上げてるのを読み、なるほど、そんなのもあっていいなと。


で、自分のコレクションの中にウサギネタのものなんかあったかなぁと探してみたら・・・。


ありました!その名もバンド名がRABBITT(ラビット)!


日本にも90年代に活躍した同名(こちらはRABBITでTが一文字少ない)のハードロックバンドがいたのだが、自分のコレクションにあったのは1970年代に南アフリカで活躍したロックバンドのセカンドアルバム、A CROAK & GRUNT IN THE NIGHT(邦題 裸の青春)だ。

なぜにイギリスでも、アメリカでも、ドイツでもなく南アフリカのバンドのアルバムなんかを持っているのか?メンバーのラインナップを見てピンとくる奇特な方がいらっしゃればいいのだが。


トレヴァー・ラビン(Vo,G,Key)
ロニー・ロボット(B)
ニール・クラウド(D)
ダンカン・フォール(Vo,G,Key)

バンドの中心メンバーだったトレヴァー・ラビンはこのセカンドアルバムのリリース後にバンドを脱退、ソロ活動を経てあのイエスに加入、1983年に大ヒットした「ロンリー・ハート」の作者として知られている。


だが、自分がこのアルバムを手に入れたきっかけはこの男ではない。そう、ダンカン・フォールが加入していたバンドということで手に入れたのだ。

ダンカンはアイドル・バンドのベイ・シティ・ローラーズ(B.C.R)にレスリーの後任ボーカルとして加入した男。ダンカン加入後のB.C.Rはザ・ローラーズと改名し、3枚のアルバムをリリースした後に解散となったが、この3枚のアルバムはB.C.R時代ほどに売れはしなかったが(解散もそこのところが理由なのだろうが)なかなかのロックアルバムであり、解散からかなり経た現在ではパワー・ポップの佳作として紹介されることも多い。ローラーズの名を引き継がず、覆面バンド的なところからリ・スタートしてたらもうちょっといい位置で活躍できたのでは?と思わずにいられない。





さて、ラビットのファースト、セカンドはほとんどの曲をトレヴァーが手掛けたようだが、ローラーズの3枚のサウンドがこのラビットのサウンドに限りなく近いことを考えると、ラビットでのダンカンの貢献は実はかなりのものではなかったのかと推察する。事実、トレヴァー脱退後の3枚目のアルバムでは、このダンカンが全曲を作曲、キーボード、ギター、ボーカルとトレヴァーに負けず劣らずのマルチ・プレイヤーぶりを発揮している。

裸の青春という邦題からも想像がつくだろうが、このラビットもローラーズ同様、日本ではアイドル・バンドとして扱われていたようだ。しかし、よくよくこのアルバムを聴いてみると単なるアイドル・バンドなんかではなく、しっかりとしたサウンドのロック・バンドであることがわかるだろう。ファンの間では南アフリカのクイーンとも呼ばれていたらしい。

今回、久しぶりにこのアルバムを聴いてみたのだが、言われてみれば確かにクイーンのサウンドに近いこともないのだが、それよりはチープトリックのポップさに、スティクスの壮大さが加わったような感じってところであるが、いずれにしても70年代後期に聞かれたよくも悪くもあの頃のちょっとポップなロックサウンド。

ラビットのアルバムで勢いがつき、ダンカン加入後のローラーズの3枚のアルバムを聴き

それでは物足りず、ローラーズを脱退したパット・マッグリンが結成したスコッティーズのアルバム

同じくイアン・ミッチェルの結成したロゼッタ・ストーンのアルバムに手を伸ばした。

スコッティーズはファンキーな曲の良さとパットの作曲能力の高さを知ることができるが、彼のボーカルとアレンジがどうにも・・・。

でもいい曲が多いのは事実で、あのままローラーズに残って彼の曲をレスリーが歌っていたとしたらかなりいいバンドに成長したのでは?などと、いらぬ想像をしてみたり。

ロゼッタ・ストーンの方はスコッティーズに比べカバー曲が目立つものの、アルバムの完成度が高いのはプロデュースに依るところが大きいのか・・・。


Punks-a-go-goなどと名乗ってはいるものの、今でもアイドル・バンドやパワー・ポップの甘酸っぱさに惹かれ続けているのは、なんだかんだ言っても自分のロック人生の原点がここにあるのだから仕方のないことだろう。

すっかり卯年にちなんだウサギネタから外れてしまったが、今年も様々なロックを浅く、幅広く聴いていくってのは変わらないようで。

ちなみにダンカン・フォールはローラーズ解散後、マドンナの主演映画「フーズ・ザット・ガール」のサントラ盤に参加する等活躍し、現在も音楽活動を続けているのが少しだけ嬉しい感じ。


今週も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。