朝からマフスのセカンドアルバムBLONDER AND BLONDERを爆音で聴いている。

パンク好きという割に彼女、彼らのことは全くと言っていいほど知らなかった。愛読していたパンクロック雑誌DOLLやBOLLOCKSにも何度か登場していたようだが、全くもって記憶がない。

そもそも洋楽を多く聴く方ではなく、そんな中でも洋楽といえばどちらかというとUK寄りで、米国産のパンクロックにあまり興味をそそられる方ではなかったことや、女性ボーカルのバンドをそんなに好んで聴く方ではなかったからなのか。


いずれにしても90年代初頭にデビューしたこのバンドを30年近く知らずに過ごしていたのは事実。


このバンドを教えてくれたのは東京でバンド活動を続ける古くからの友人。


何度か推してくれたにも関わらず、先述のこともありそんなに興味を惹かれず聴かずにいたが、暫くしてその友人がマフスの日本語カバーバンドを結成すると聞き(日本語カバーってセンスが秀逸だ)、そこまでハマってるなら聴かないわけにはいかないと、とりあえずYouTubeで検索。

SAD TOMMORROWでキュートでチャーミングなキム、ロニーとロイの地味さ(ゴメンナサイ)のギャップに驚き

Really Really Happyでキムのギターストロークにグッときて

OH NINAでキムのシャウトにノックアウト。

そこからCDをネットでいろいろ探してみたが出回っているのは中古品ばかり、しかも国内盤はほとんど見当たらずあったとしてもかなりの高額。

で、3ヶ月ほど前に東京へ出かけた時にようやくディスクユニオンでReally Really Happyの帯付き国内盤を発見。定価より少しだけ高かったが迷わず購入。
サブスクでも聞けるが、ロックに向き合うならやはりレコードやCDで、となるのは昭和世代の哀しい性。

その後もいろいろ探すが国内盤はほぼ出回っていなく、仕方なく輸入盤のBLONDER AND BLONDERをヤフオクでポチったのが1週間前。

そういうことで、一昨日届いたCDを朝から爆音で聴いているというわけだ。

実にいい。


こちらまで朝から叫びたくなるほどだ。

心も踊る。


LAパンクやガレージバンドの系譜として紹介される彼女たち。ゴーゴーズ辺りの流れを組んでいるということか。
だが、ドラマーのロイ・マクドナルドによると初期のキンクスやフーから大きな影響を受けているとのことだから、その辺りを意識して聴いてみるのもいいだろう。
まぁ、言うほどキンクスやフーに精通しているわけではないのだが。

また、同じ米国パンクバンドのグリーンデイのメジャーデビューアルバムDookieはマフスのデビューアルバムに大きな影響を受けて作られたらしい。どちらのアルバムプロデューサーもロプ・キャバロという人物だという。

そういえばなぜかDookieは手元にあったはずなので、そっちもじっくり聴いてみることにしよう。


周知のとおり、ボーカルのキム嬢はALS(筋萎縮性側索硬化症)により2019年に亡くなっている。

彼女の死後に出会ってしまった自分には、彼女のレトロなワンピースに似合ったギターストローク、それとは真逆な激しいシャウトをリアルタイムで目にすることは叶わない。

それでも彼女が残したロックンロールはこれからも、いやようやくこれから自分の中で大きく育っていくのだろう。

素敵なバンドとの出会いに感謝。

今の気分はReally Really Happyだ。

さて、ファーストも中古の輸入盤だけどポチっとすることにしよっと。