ほんの一瞬だがミニマリスト型の生活をしてみようかと考えたことがある。


Apple Musicと電子書籍が登場してスマホとタブレットさえあればCDも書籍も持たなくても済むようになった頃。そんな状況に合わせるように世の中にはにわかにミニマリストの波が押し寄せていた。

スマホとタブレットにほんのちょっとの日用品があれば、案外それなりに満たされた生活ができるらしい。

ミニマリストという耳障りの良い言葉に惹かれ、何冊かそれらを題材にした本を読んでみた。



これらに登場するミニマリストたちは極端にモノが少ない部屋に暮らしていた。


寝具とソファ兼用のエアーマットレス、洋服類は白か黒の定番アイテムを数枚だけ(普段着の制服化なんてことも言われてたり)、バスタオルすら持たないなんていう強者がいるくらいだから、もちろんテレビなんかあるわけがない。


徹底的にモノと無駄が排除された部屋は侘び寂びを感じる茶室のようでもあり、無機質なホテルの一室、なんなら独房のようでもあり。

そんな極端な生活は自分にできるわけもなく(というかする気も起きない)、それでもどこか晴ればれした風のミニマリストたちの生活に惹かれる

ものもあり、出来る範囲でモノが少ない暮らしをしてみようかなんて考えてみた。うまいことミニマリストのエッセンスを取り入れたゆるミニマリスト(?)たち御用達の無印良品の注目も高まっていたし。


まずは音楽環境から手をつけてみる。


子供ができた頃には大きなステレオコンポは処分し、かなり前にはコンパクトなCDラジカセに切り替えていた。

これ以上CD、DVDの類を増やさないようにApple MusicとAmazon Music、prime videoを導入しサブスク対応。



次に書籍関係。


ギターマガジンやベースマガジンなどの音楽雑誌や小説、漫画は電子書籍で購入しiPadで読むように変更。手持ちの書籍はPDF化サービスを利用してコレクションも減らしていく努力も。


洋服類。


そもそも洋服類のコレクションは少ないので、整理するまでもなく。


結果は…


まずは音楽環境。

普段あまり聴かないタイプのモノなんかをサブスクで聞く機会は増えたけど、自分の好きなバンドの新譜は手元に置いておきたいし、中古ショップ
で格安のCDがあれば手が伸びるのは変わらず。加えて、一時全数処分していたレコードだが、CD化もされておらずもちろんサブスクで扱ってないもので聞きたくなったものがありプレーヤーを購入・・・。





ということで見事に失敗。



次に書籍関係。
電子書籍化されているものはほぼ電子書籍購入へ移行。ただ、音楽関係の書籍は電子書籍化されないものが多く、結果的にコレクションは増える一
方・・・。





洋服類。


普段着の制服化には遠く及ばないが、それでも毎シーズン新着していたビジネススーツは定番に近いものにして抑えるようにはなったかも。

その代わりにロック関連のアクセサリー類は増えて・・・



また、それまで使っていた手狭な部屋から長女の独立で空いた少しだけ広めの部屋に移ったことでCD専用ラックも増設、もう少しだけラックも追加できそう。



そこにもう少しいい音で音楽を愉しみたいとステレオコンポまで設置。


結局、ゆるミニマリストにすら近づけず、逆にマキシマリスト(こんな言葉もあったとは・・・)の道を突き進む有様で、マキシマリストの特徴である「モノが満ち溢れている部屋」と言っても間違いではない状態に。


でも、無駄なモノがあるわけでもなし、ほしいからと言ってなんでも躊躇なく買ってるわけでもない。


モノが溢れていたって、しっかり整理さえしていればスッキリ見えるしと開き直るしかないが、好きなモノに囲まれて暮らす毎日って案外幸せ。


こんな結果じゃ、この先控えてる終活なんかできるわけがないな。