ついにくるべきものがきてしまった。

自分が勤めるグループ会社には58歳を迎える年の3月末に(57歳で)管理職の人間は役職定年となる制度があり、高校卒業と同時に今の会社(会社組織の見直しとともに出向、転籍を繰り返し、元々の会社とは違っていますが)に就職して約40年の自分は、今年の春がそれにあたることになる。


ちょっと前までは肩たたきなんて言われて、会社人としての定年を迎える前に管理職の人間はそろそろ辞めて、つてのある人は関連する会社にでもどうぞというやつだが、今の時代は昔みたいにホイホイと雇ってくれるようなありがたい会社はそうそうないわけで、肩たたき自体はなくなったようだが、会社に残るなら役職は降りて一般社員として働いてもらいますよというやつ。


ありがたいことにたまたま自分は運よく今の役職のまま4月以降も働かせていただけることになったが、その代わり給与はそれなりにカットとなる。

立場も仕事の中身も全く変わりませんが(笑)
まぁ、大卒が多いこの会社の中で高卒の自分が管理職にまでになって役職定年も延伸してもらえるっていうのだからありがたい限りではあります。

そんなわけで給与体系(処遇)が変わりまよという処遇変更通知というやつがついに自分の手元にもきてしまったということ。

長かった会社生活もいよいよ最終盤を迎えることになる。



そんな状況に柄にもなく黄昏ていたある日の車中で、心の奥にじんわりと沁みいってくる旋律の曲がカーラジオから流れてきた。
曲が終るとDJがアーティスト名と曲名を紹介したのだが、「ブラックバード・・・」という部分しか聞き取れず、信号で止まるたびにスマホでブラックバードをキーに色々検索。
これだ!と見つけたのが1990年代から活躍するアメリカのソロアーティストBECKのBLACKBIRD CHAINという曲だった。

BECKといえば90年代初頭に隆盛を極めたオルタナティブ・ロックの一角を担うミュージシャンという解釈だった自分。ニルヴァーナやダイソナーJr、パール・ジャム等々、それらのオルタナで語られるバンドやアーティストに手を出さずにいた自分は当然ながらこのBECKも未聴であったわけだが、カーラジオから流れていたこの曲は、オルタナ=爆音という自分の勝手なイメージとは対極の曲ということでちょっとした衝撃。
あまりにも優しい旋律に、何事も静かに受け入れられそうな気分になってしまったひと時だった。


その後も、ボウイのスターマンだったり


イーグルスのNo More Walks in the Woodだったり


ロッドのLove Isだったりと


心に沁みてくる曲ばかりが晩酌の連れになった一週間。

でも、そろそろ静かに受け入れる時は過ぎた。


あと2週間もすれば4月。

北の大地もいよいよ春だ。


ここは気合を入れて新しい時を迎えることにしよう。


とりあえずこの2曲、今はこんな感じかな。

まだまだやれるさ。

そう、新しい歩幅で再びスタートを切ってやる!