「いただきます」を言わない人が太るワケ

年末の会社帰りかなにかに寄った書店で目に飛び込んできた一冊の文庫本。

メタボが気になりだした自分の心を動かすには充分すぎるタイトルだった。その場で買うことはなかったがどうにもそのタイトルが頭から離れず、結局年が明けてすぐに買ったのだが。



そういえばレコードやCDでジャケ買いしたものは多いが、タイトルに惹かれて買ったものなんてあったかなーとコレクションを眺めてたらそんなのがいくつか見つかったので今日はそれらを。


不良少年のメロディ~愛の鞭への傾向と対策/THE KINKS

フーやストーンズなんかと並びブリティッシュロックを代表するといえばのキンクス。ユー・リアリー・ガット・ミーくらいは知っていたが、長いこと彼らのアルバムを手にすることはなかった。


ある日スーパーの特設会場で行われていた中古CDセールで目にしたのが不良少年のメロディ。
不良少年とメロディという言葉に弱い自分にとってこの二つが組み合わさったタイトルのものを買わない選択はなかった。


ピアノをバックに鼻にかかったいかにもブリティッシュな声で語りかけるように歌われるバラードナンバー「思い出のスクールデイズ」で幕を開けるこのアルバム、買って正解だった。

その後、スリープ・ウォーカー、ミスフィッツ、ロック・バジェット、フォビアと、前に遡るのではなく後期作品の方を集めていくことなるのはいつもの気まぐれ。


このアルバムがキンクスの低迷期と言われていたコンセプトアルバム期(1973年~1976年)最後の作品だと知ったのは当然あとになってからではある。


コレクターズのロック教室~THE ROCK’N ROLL CULTURE SCHOOL~はジャケも含めこのアルバムをオマージュしたものと思われます。


それにしてもレイの鼻にかかった声、好きだなー。



アヴァロン/ROXY MUSIC

ロキシー・ミュージックのようなタイプのバンドを積極的に聞く方ではない自分がLPまで買ってしまったのはこのタイトルの響きが気に入った、それだけのことだったと記憶しているが、「ヴ」という文字が好きというのも影響してしいたのかも(ヘビーよりヘヴィの方がグッときません?)、アバロンだったらきっと買ってなかったはず。


アヴァロンはアーサー王物語の舞台として知られるブリテン島にある伝説の島のことらしく、この島をモチーフにして作られたアルバムであるとのこと。


オープニングの夜に抱かれて(この邦題もなんかいい雰囲気)から最後のタラまでヴォーカルのブライアン・フェリーの美意識が貫かれたようなサウンドが続くアルバムで、静かに過ごしたい夜にはぴったりはまる1枚。パンク好きにだってそんな風に過ごしたい夜があるのだ。



破壊/TOM PETTY AND THE HEARTBREAKERS

パンクに傾倒し始めていた頃、ぶち壊せ!とか破壊なんて言葉にすっかりやられていた(それだけがパンクの本質ではないのにね)ようで即買いしたはず。見た目も内容も全然パンクじゃないのにだ。


セールス的にもかなりの成功を収め評価が高いこのアルバム、1枚を通して聴くことは少ないが、1曲目の逃亡者(これに限っては邦題より原題REFUGEEの響きの方が好きです)は、年に数回無性に聞きたくなる時がある佳曲。



悲しみ 月 そして希望/横道坊主

漢字のバンド名が好きになれず長いこと手を出していなかった横道坊主だが、ビル、月、タイトル文字の配置が印象的なモノクロのジャケット以上にこのタイトルに惹かれ、ついにその音に触れたのはデビューからすでに25年近くも過ぎてから。


2011年に起きた大震災がなければ誕生しなかったであろうあまりにも濃密な作品群、その核ともなっているのがハルという曲であるのは、アルバムの帯にある奇跡の楽曲というコピーからも想像に難くない。今は亡き橋本潤の地を這うようなベースも聴きどころの一つ。

タイトルに惹かれて買ったのが大正解の超お薦めアルバム。



こうやって振り返ると、ジャケ買いはまぁまぁあったけどタイトル買いしたのはそうそうなかったんだなー。

で、冒頭の「いただきます」を言わない人が太るワケですが、食前食後の挨拶を言わない人は、なんとなく食べ始め、なんとなく食べ終わる=けじめに欠ける気がする=けじめなく食べているからだらだら食いになる=食習慣が乱れて肥満に繋がる という、なんだかな結論でしたが、なんだかんだ言いながら手を合わせていただきますを言うようになっているのは藁にも縋る思いから、ということで・・・。