日比谷野外音楽堂、通称野音と呼ばれるこの場所が好きだ。

野音を知るきっかけはおきまりのモッズだが、初の野音生体験は1987年7月4日のブルーハーツ。23歳の誕生日を迎えるちょっと前のことだった。


先に起こったラフィンノーズのライブでの悲しい事故の影響で、鉄の柵でできた檻に囲まれたような厳重な警備のもとに行われたライブだったが、それでも野音の雰囲気を味わうには充分すぎるほどの体験だった。



その後2回目の野音ライブ体験までには2011年6月25日のモッズ30th Anniversaryライブまで24年も費やしてしまったが、野音のあの独特な雰囲気は何一つ変わってはいなかった。


3回目は同じくモッズ35th Anniversaryライブの2016年10月15日、4回目は2018年のモッズ×コルツのGOOD-BYE SCARFACESとなるはずだったが、まさかのギックリ発症で直前のキャンセル。東京に住む友人にチケットを託し、代わりに野音の雰囲気を愉しんでもらうことにした。




ということで、この月末に行われるモッズ40th Anniversaryライブが5年振りの野音。前回のようなことがないよう体調管理だけはしっかりしなければと思いいつつも、相変わらずのだらけた日々を暮らしている。


モッズを軸にした野音愛ではあるが、野音ライブのDVDを見つけるとモッズ以外のバンドでもついつい手が伸びてしまう。その中からいくつかを。



ROCK’N ROLL EXPROSION in HBIYA/THE COOLS
1994.10.22

一海がバイクにまたがり登場するオープニングの頃にはすっかり夜の帳が下りてしまっているのがちょっと残念。


それぞれタイプが違う黒の皮ジャンを身に着け、唄も演奏もちょっと力が入った感じのメンバーがまだ若く見える。


どらかというと六本木で行われた2015年の40th Anniversaryライブのように歳を重ねていい感じで力の抜けた風の方が自分の好み。



Mighty 10th ROUND ATTACK/THE COLLECTORS
1994.10.10

リズム隊が小里さん、阿部さんの旧メンバーが今となってはかなり懐かしい。

最近はあまり見ることができない、コータローさんのリッケンバッカーが妙に野音の雰囲気にマッチしている。


DVDでは曲間にメンバーの語りやリハーサル風景が映し出されるが、野音のライブに限ってはライブをしっかり愉しみたいと思うのはこちらの勝手な思い。


コレクターズの野音は30周年記念のアルバムRoll Up The Collectors初回限定盤に付属の2016年4月16日の30th Anniversaryライブがお薦め。
付属品でありながらライブをフルパッケージした大盤振る舞い。JEFFと阿部さんのリズム隊が見ることができるのも貴重だが、こちらの方は曲間に観客席後方からバスドラの中を通して見たような構図で映し出されるステージの光景がいいアクセントとなっている。

コレクターズは野音も似合うが大ステージ武道館でのライブが妙にサマになるようになった。2022年には2度目の武道館公演も予定されている。


RHYTHM & DANDY Dメン2010日比谷より愛をこめて/怒髪天
2010.4.17

いつもとは違い全員が黒のスーツを身にまとい登場と思いきや、いきなりジュリーの勝手にしやがれでステージが始まるところはなんとも怒髪天らしい。


ステージ後半に増子さんがビデオカメラマンが使うクレーンに乗り、上へ下へ、左へ右へと動かされながら必死に歌う姿も見所だが、本人はイヤで仕方なかったらしい。


KAIBAND HIBIYA YAON LIVE 40th Anniversary Tour 2014 COMPLETE/甲斐バンド
2014.8.30

花園ラグビー場だったり武道館だったりと大会場の印象が深い甲斐バンドが意外にも野音にマッチしていて驚き。 


この野音でのステージングをロックたらしめているのは、田中一郎のギターに違いない。 


昼から夜に徐々に移り行く野音の時間、空間を味わえるお薦めの作品。


SHEENA’s YA-ON/SHEENA & THE ROKKETS
2014.9.30

DICKIESのワークシャツを着た3人のロケッツが7曲目の演奏を終えたところでようやくシーナが登場。シーナが登場した途端、鮎川誠の表情も演奏もすっかり変わったように感じるのは気のせいではないはず。


まずはバッドマンのテーマでステージを動き回るシーナがカッコよく映される。

が、次のROKKET RIDEが始まった以降は、すでに病魔に侵された影響が大きいと思われるシーナの姿を目にするのが辛すぎて・・・。


初回限定特典DISCではメンバーや多くのミュージシャンがシナロケ愛、シーナ愛を語っている。


ザ・マックショウコンサート ヒビヤショウダウン/THE MACKSHOW
2016.10.16(昭和91年)

モッズ35th Anniversary野音ライブ翌日に行われたマックショウのコンサート。コージーマックもサポートのミッキー・スリム・マック(伊東ミキオ)も2夜連続出演。ということで2日連続で参戦したファンも多かったはずで、自分もそうしておけばよかっと思ったのは後の祭り。


前日に使われたステージ上の赤い絨毯がそのままなのもちょっとした見所。


マックショウが野音、となればどうしてもキャロルの解散コンサートと重ねてしまうところだが、そんなことは抜きにして愉しめる。


劇場版SA サンキューコムレイズ/SA

2015.7.11 

野音の雰囲気、ステージ準備、ライブ、そこにかける思いを味わいたいなら不屈のパンクバンドSA初の野音密着ドキュメント「劇場版SA サンキューコムレイズ」を。

DVDのジャケットが全てを物語っている。



ついさっき昼食をとりながら録画しておいたキャンディーズ(!)のドキュメンタリーを見ていたら、彼女たちの解散宣言シーンが映し出された。なんとその場所が野音‼︎


やっぱり野音が呼んでるな。