20年ほど前、家人に邪魔物扱いされ、それまで集めたレコードなどのコレクションの大半を処分したことがある。
子育ての時期だったこともあり徐々にロックからも距離も置きだしていた頃だ。


そんな時期を経てロックが日常に戻ってきたのが40を過ぎた頃から。そこからまた少しずつ聴きたいもの、観たいものが増えていき、50を前にして今のマンションに越してからは自分の部屋もでき、収納ラックがセットされた机と収納専用棚を購入したときに、これで十分すぎる収納スペースを確保したしここに収まる以上はCDやDVDをコレクションしないようにと心に誓い、APPLE MUSICも契約し電子書籍用のタブレットも購入してモノを増やさない環境は揃ったはずだった。

あれから5年以上の年月が過ぎ、あの時の誓いも何処へやら、部屋には収納ラックが更に3つも増えて、それでも収納は限界に近づきつつある今日この頃。

にも関わらずここにきてこのコロナ禍で毎週のようにあった仕事関連の飲食の機会も全くなくなってしまい、それらで消費していた時間や小遣いが音楽・映画・読書に充てられることになるのは必然中の必然、ということで、この年末年始もなんだかんだと自分に言い訳をしつつCDやらなにやらとコレクションが増えてしまったのだ。

今回は自戒を込めつつそれらを。

12月3日
デッド・ドント・ダイ/ジム・ジャームッシュ監督

たった3人の警官しかいないアメリカの田舎町に起きる怪事件から始まる奇想天外なゾンビ映画。
前作パターソンの世界観から一転のゾンビ映画ということでちょっとした驚きと期待。

前作に続きアダム・ドライバー、ジャームッシュ映画常連のビル・マーレイ、イギー・ポップと安定の役者人の中で葬儀場の女主人役のティルダ・スウィントンの静かな奇妙さが突出してよかったように感じるが、ジャームッシュならストレンジャー・パラダイス、コーヒー&シガレット、ブロークンフラワーズなんかの淡々とした時間が流れるモノの方が好みではある。(ゴメンナサイ)


12月16日
イン・ア・モデル・ルーム/P-MODEL
鬼才平沢進率いるP-MODELが1979年にリリースしたデビューアルバム。

その昔、金曜娯楽館という番組で初めて彼らの演奏を目にしたときの衝撃がそのままパッケージされたような作品。

ただ、セカンドのランドセルでP-MODELの音源に初めて触れた自分としては、より鬱屈したサウンドのセカンドの方が好みなのだが、1曲目の「美術館で会った人だろ」はテクノパンク(そんな言葉はないけど)なナンバーで大好きです。


12月18日
BIG DEAL/クールスR.C.
THE CHANGELINGS/クールスR.C.

名盤1000円シリーズにクールスが登場。

洋楽の1000円シリーズはよくあるが邦楽が名盤1000円シリーズでってのはかなりレア、ということで迷わず購入。

THE CHANGELINGSは今ではすっかり大スターになってしまった横山剣(現クレイジーケンバンド)加入後初のアルバム。

当時、高校の別のクラスの友人に借りたときは唯一知っていた紫のハイウェイ辺りを期待していたので「なんだかな―」と感じたのが正直なところだったのだが、今になって聞くと極上のロックンロールナンバーが並ぶ佳作で、1曲目の胸躍るロックンロールナンバー「GREAT & REALLY & ROCK’IN’ GIANT」が若干21歳の新人だった横山剣の手によるものだというのも驚き。



12月24日
FIGHT OR FRIGHT/THE MODS(LP)

モッズのファーストアルバム。

もちろんCDでは持ってるし、当時レコードで買ったのは当然なのだが、冒頭に記した件の際に手放していたもの。現在は初回特典のソノシート付は高額取引されているためなかなか買えずにいたけど、ここにきて良心的な価格のものを見つけ落札。完全にコレクション用だけどジャケットのカッコヨサは今でも変わらずでしっかり部屋に飾ってます。
アルバムについては過去ブログで。



12月26日
別世界旅行/THE COLLECTORS

ボーカル加藤ひさし60歳の年に放たれたコレクターズの新譜。当然初回限定のDVD付の方を。


オープニングナンバーの「お願いマーシー」はクロマニヨンズのマーシーを歌った曲で本人もギターで参加!!アマチュア時代からヒロトやマーシーのバンドと一緒にライブを演ってきた加藤にとって、今でもマーシーが自分の中のロックアイコンで彼らを超えたい一心でバンドをやってきたそうだ。


このアルバムもいつかレビューしたいけど、先日発売されたプレイヤー誌で8ページにもおよぶ加藤自身が語る特集があるからなぁ・・・。


12月27日
ROLLIN’ OVER/T.MORIYAMMER

森山達也35年ぶりのソロ。特典のポストカードに惹かれ●●レコオンラインで購入したのはよかったが、発売日から4日も過ぎての到着でヤキモキの日々。

いずれここでレビューを。


12月29日
君の思い出/オレンジ・ペコ(EP)
普段ならほぼ手にしないであろうチューリップのようなルックスのバンドだが、ARBのドラマーのキースが在籍していたバンドということで興味本位で購入。自分の好きなバンドのルーツを辿るってのはよくありますよね。

で、予想通りチューリップのようなサウンドでした。

それにしてもキースの変貌ぶりには・・・(笑)



1月1日
スティル・クレイジー/ブライアン・ギブソン監督

酒を飲みながらロックコメディで過ごす正月も悪くない。


1月3日
IMAGINE/JOHON LENNON
BLACK AND BLUE/THE ROLLING STONES
新春セールは定番モノの2枚(紙ジャケ)を●●オフで。

イマジンは名盤中の名盤だけど今頃やっとで(笑)。ビートルズのアルバムも50を過ぎてから集め出していて、なかなかソロまでは収集しきれず。

それにしてもイマジンが発表された1971年って自分が小1のときだけど、50年近く経った今でもジョンの願いはちっとも叶えられていないどころか、その思いとは逆の方に・・・。

「天国も、地獄も、そして財産のない世界を想像してごらん。いつの日か、世界はひとつになったらいいと思う。」


1月4日
愛ある世界/THE COLLECTORS

1992年リリースの6曲入りビッグシングル。

映画「さらば青春の新宿JAM」のエンドロールで流れるのを聞いて一瞬で気に入った「明治通りをよこぎって」のほかに、加藤訳詞による「恋のヒートウェーブ」も。

それにしても30年前からずっといい曲書いていたからこその現在の人気なのだと改めて思い知らされました。



1月7日

白い暴動/ルビカ・シャー監督

1978年4月30日、時代を変えたと言われる10万人の世紀の大行進と音楽フェスを行ったRAR(ロック・アゲインスト・レイシズム)の活動に迫った映画。

タイトルの白い暴動に加えて、映画告知のポスター、Blu-rayのジャケットともにクラッシュのポール・シムノンの姿が描かれていたことから、クラッシュを軸にした映画と思いきや、ほぼRARの軌跡を辿る内容。

クラッシュの映画「ルードボーイ」のハイライトでもあるあのライブ(フェス)の背景に、RARの想像を超えた活動があったことを今になって知るとは…。相変わらずの自分に反省。




このコレクションの増え方が他の音楽好きの方に比べて多いか少ないかはわからないが、まだまだ聴きたい、観たいモノが減りそうな気配はない。

ミニマルな暮らしとは無縁な日々がこの先も暫くは続きそうな…ということで。