バンドやミュージシャンも長く活動し多くの楽曲を発表していると、それらの中からファンに人気の高い曲なんかが生まれてくる。それらを集めてベストアルバムとしてリリースしてファンに喜んでもらったり、新たなファンを獲得するために代表曲を並べたベストアルバムをリリースするなんてこともあるのだろう。

僕はベスト的なものを聴きたければ自分で好きなように曲順を決めてiTunesでプレイリストを作る(昔ならカセットに録音する)方が自分の聞き方に合っているので好んでベストアルバムを購入するほうではない。実際手元にあるベストアルバムは10枚にも満たないはず。

今回はその数少ない手持ちのベストアルバムの中から5枚を紹介。



NEW BLEED “HASH”/THE MODS

THE MODSもデビュー後40年近い活動の中で10枚のベストアルバムをリリースしているが、リリースされた作品はほぼコンプリート、ファンクラブにも入会しているにも関わらず僕の手元にあるのはその中の5枚だけ。

それだけベストアルバムというのは好きな方ではないのだ。

このNEW BLEED”HASH”は、オリジナルドラマー梶浦雅裕時代に発表された代表曲と言われる数々のナンバーを佐々木周加入後の新たなラインナップで改めてレコーディングし直し、当初は配信限定のEP「NEW BLEED」シリーズとしてリリースしたものに何曲かを新たに加えCD化したもの。

そのタイトル通り佐々木周という新しい血が流れるバンドでアップデートしたナンバーが並ぶベストアルバムとしては珍しいほどに名盤に仕上がっている。

このアルバムの目玉は何といっても彼らのライブでオープニングナンバーとして演奏されることが多い2枚目のシングル「ゴキゲンRADIO」のB面にライブバージョンで収録された「カウンターアクション」が初のスタジオバージョンで収録されていることだろう。自分の中でもモッズのベスト5に入るナンバーがよもやスタジオバージョンで聴けるとはと狂喜。

また、アルバムにはSTOP BREAKIN’ TIME、ROCKAWAYの2曲のPV、NAPALM ROCKのライブ映像がボーナスディスクとして付属されている。しかも定価は3,000円!!


ベストアルバムもこんな粋な作り方のものなら手に入れないわけにはいかないよなと・・・。




CHARACTER/CHAR

ロックに夢中になりだした中学生の頃、ロック御三家としてお茶の間をにぎわしたのが世良公則とツイスト、原田真二、チャー。

テレビでロックバンドを見ることができる機会がほとんどなかった当時、彼らがテレビに出演して演奏する姿を幾度も見せてくれたことが、どれだけ僕らの刺激になったかは想像に難くない。

その中でもチャーはそれ以前から本格的なロックアーティスト、ギタリストとして名を馳せていたのでコアなロックファンからは歌謡曲に寝返っただのと言われていたが、彼のこの活動がその後の日本のロック界に残してくれた功績がどれだ大きかったかは皆さんご承知のところだろう。

歌謡界進出前の、そして今でも彼の代表曲であり続ける”SMOKY”、”SHININ’ YOU,SHININ’ DAY”、歌謡界進出後のヒット曲、”逆光線”、”気絶するほど悩ましい”、”闘牛士”、”GIRL”、その後ロックのフィールドに戻る過渡期の名曲”かげろう”、”空模様のかげんが悪くなる前に”。これらが収録されたアルバムすべてをコアなチャーファンではない自分が購入するのはちょっと無理(今ならAPPLE MUSICやAMAZON MUSICって手もあるが)。

こういう時にベストアルバムというのが大きな助けになる。ということで手に入れたCHARACTER。素晴らしい。

一つ残念だったのは”気絶するほど悩ましい”がアコースティックバージョン゛で収録されていること。まぁ、今となってはAPPLE MUSICでサクッと聞けるから良しとしようか・・・。




LENNON LEGEND/JOHN LENNON

世界で最もポピュラーなロックバンドのTHE BEATLES。にもかかわらず彼らに夢中になることがなかった自分。

それでも40歳を過ぎたころから気持ちを入れ替え?オリジナルアルバムを1枚ずつ徐々に購入していき、最終的にすべて聴きました。

そこから解散後の各メンバーが発表した作品をすべて購入するにはあまりにも数が多すぎて…ということで、こういう時にもベストアルバムというのは大いに役立つもので。


収録曲は1.Imagine 2.Instant Karma! 3.Mother 4.Jealous Guy 5.Power to the People 6.Cold Turkey 7.Love 8.Mind Games 9.Whatever Gets You Thru the Night 10.#9 Dream 11.Stand by Me 12.(Just Like) Starting Over 13.Woma 14.Beautiful Boy (Darling Boy) 15.Watching the Wheels 16.Nobody Told Me 17.Borrowed Time 18.Working Class Hero 19.Happy Xmas (War Is Over)  20.Give Peace a Chance

THE VERY BEST OF JOHN LENNONの名にふさわしい選りすぐりの20曲がこれでもかと並ぶ。

どこがどう素晴らしいかを表現するのは難しいのだが、それほどファンでもない自分がここに収められた20曲、どれも知っていたというところがなんとも。

こんなアーティストってそうそういない。いや、ジョンとかポールくらいか・・・。脱帽。




ニュー・ベスト/ベイ・シティ・ローラーズ

サタデーナイトでロックに出会った僕はまだ小学6年生。彼らのオリジナルアルバムはすでに3枚リリースされていたが、小学生にそれらすべてを揃えるだけの財力などあるはずもなく、彼らの代表曲を知るにはまずベスト盤を親にねだって手にいるしかなかったのだ。

で、手に入れたのがこの1枚。

彼らも多くのベスト盤がリリースされているが、どれも既発のバージョンを並べたものばかり。このアルバムも然り。

まぁ小学生のロック初級者にはそんなことはわかるはずもなく、当時の新メンバーイアン・ミッチェルが写ったジャケットのこのアルバムに飛びつくしかなかったのである。

しかも、イアン・ミッチェルが写っているものの収録された曲はどれもイアン加入前に発表されているものという・・・のは、後になってわかったことで。

それでも夢中になって毎日聞きまくったあの頃が懐かしい一枚ではあるのだ(泣)




ベスト・アルバム/布施明

ここにきて布施明!とは・・・という声が聞こえないでもないが、遠い昔、我が家にステレオがやってきたとき、いの一番に母親が買ってきたアルバムがこれ。その名もずばりベスト・アルバムって・・・。
当時はいつも家の中に流れてました。

ちょっと前、そのアルバムをブック●フのレコードコーナーで見つけてしまい、郷愁に駆られついレジまで持っていってしまった一枚です(笑)

買っただけで満足し聞いてはいなかったのだが、ここでレビューするにあたり、たった今針を落としてみました。
いやー、これは日曜の昼間に聞くものじゃないなー。でも、あの頃は日曜の昼間に狭い家の中でよくかかってたんだよなー。

それにしても歌は確かに上手い。いや、それでも聞くのはもう限界・・・。



ベストアルバムって、あまりよく知らないバンドやアーティストを手っ取り早く知るにはいいアイテムではあるのだけど、やはりオリジナルアルバムを1枚ずつ聞いてみて、失敗したり、いい出会いを味わったりするのがいいかもなー。