レベッカにはまった一時の迷いでアイバニーズのRB840という黒のベースを購入したのが21,2歳の頃。かといってレベッカの曲をコピーするでもなく、バンドを組むでもなく。

トーカイのテレキャスターとこの黒のベースが並んで置かれているのを眺めながら、気が向いたときにちょっと手に取ってみる程度。
いつしか時も過ぎ子育て真っ盛りとなる頃にはそんな楽器も家人に邪魔物扱いされ、一方のギターを手放すことに。

再び楽器への思いが沸き立つのは子育てとともに離れたROCK生活に舞い戻る40を過ぎた頃。

DVDで見た横浜赤レンガ倉庫前でのモッズライブ。苣木教授が手にしていたギブソンのゴールドトップのレスポールがあまりにもカッコよくてどうにも同じタイプのギターを手にしたくなった。このレスポール、ピックアップはハムバッカータイプではなくP90シングルコイルタイプが搭載されているところがまたいい味を出していた。
そう、ここでまた一瞬の気まぐれからベースではなくギターの方が欲しくなるという・・・。


しかしギブソンのレスポール、しかもゴールドトップなんて高価すぎて普通のサラリーマンが手を出せるものではなかった。ギブソン直系ブランドのエピフォンには廉価のものがあるにはあったが、ギブソンへの憧れが止まらずギブソンレスポール特集のムック本を買って四六時中眺める日々が続く。

その本を毎日眺めているうちに同じP90シングルコイル・ピックアップが搭載されているレスポールJr.の方が気になりだした。そういえばクラッシュのミック・ジョーンズやジョニー・サンダース、モッズのモリヤンも使っていたぞと。

調べてみるとラッカー塗装がないfadedタイプならかなり安そうということがわかった。 


ちょうどその頃、会社から勤続25周年祝いの報奨金がありその半分を自分用に頂戴すれば買える値段だという事で、ここは自分が長年働いたことに対する会社からのお祝いだからとしっかり報奨金の半分を頂き、晴れて白のGIBSON Lespaul Jr Dublecutaway/Worn Whiteをお茶の水にある某楽器店のサイトで新品で購入した。
念願のギブソン!!もちろん心躍りましたよ(笑)
しかし、曲を聴けばベースラインの方が気になる自分、せっかく手に入れたレスポールJrなのに徐々に手にする機会が減っていくのにそう時間はかからなかった・・・。


こうなるとわがままな中年男は俄然ベースを手に入れようと張り切りだす。今度こそは本当に自分が好きなベースを手に入れるぞと。


テレキャスターが好きだった自分はベースもヘッドがテレキャスターと同じ形状のオリジナルプレシジョンベース、いわゆるOPBタイプのベースに実は憧れていたのだ。ただ、このOPBタイプはフェンダージャパンのものでも軽く10万円を超していて、レスポールJrで大枚をはたいてしまった自分には悲しいかな手が出るものではなかった。


でも見つけました。フェンダー直系廉価ブランドスクワイアのC-V 50’S PB。本命のサンバーストカラーはなくレーシックブルーだったがオールドな感じを醸し出すカラーがいい感じ、しかもちょいキズアウトレットということで定価の65%引き。ギブソンを買ったときとは別なショップだが、同じくお茶の水にある楽器店のサイトで購入。届いたベースはどこにちょいキズがあるか全くわからず。この時2008年、最初のヤマハレスポールを手にしてから約30年を経て、ようやくその時以来に楽器を弾くのが楽しくて仕方がないという気持ちを味わった。ということでこのベースには本当に感謝。


で、更にオリジナルのプレシジョンベースに近づけたくて、昨年フェンダー製のピックアップフェンスとブリッジカバーを装着。懇意にしている近所の楽器屋店主から「弾きずらくなるよ」と忠告されたとおり装着後はあまりにも引きずらく手にする機会は減ったものの、見た感じはオールド感満載で言うことなし。 


ベースもちょっとだけ弾けるようになってくると更にもう一本欲しくなるのが悲しい性。フェンダーヴィンテージベースガイドなる本を見ているうちに今度はジャズベが気になりだす。そのガイドブックでルイズルイス加部の愛器として紹介されていたスタックノブタイプのもの。
レスポールJr、OPBに続き、ここでもオールドタイプのものにやはり目がいってしまう。


こうなったらお分かりの通りもうその気持ちは止められず、オークションサイトを検索する毎日を迎えることになる。

だが、スタックノブタイプのものは流通が少なく、あっても高額ということで、早々にノーマルな2ボリューム、1トーンタイプのものを探すことに。 


中古といえども当然フェンダー製はそれなりの値段。それに比べ某有名楽器チェーンのオリジナルブランドHITORY製はハイスペックタイプでもフェンダージャパンのミドルスペックタイプのものより格安。しかも少しだけフェンダー製と違うヘッドの形状が自分の好み。ということで、こちらに的を絞って格安落札。これもスクワイアのOPBに続き当たりの1本。はっきり言って自分は音の良し悪しはわかりません。でも、手にした時のグリップ感なんかはそれまでのものとは段違い。そもそもジャズベはプレべに比べネックは細見だが、それ以上に手にした時に感じる高級感??。いや、ただ単にハイスペックという先入観だろと言われればそれまでです。


さて、このジャズベも昨年近所の楽器屋に調整してもらったときに「本当はスタックノブがねぇ・・・」などと話してたら店主が「フェンダーのジャズベから外したスタックノブがあるけど付ける?」と、思わぬお誘い。二つ返事で「お願いします」と、工賃代込5,000円で装着。合わせて少し黒っぽかったべっ甲のピックガードをこちらもフェンダー製の赤が強いべっ甲のピックガードへ付け替え。憧れだったルイズルイス加部所有の愛器と同じスタイルとなり、見た目も弾きやすさも言うことなしのコレクションとなっている。


ただ楽器愛はここで留まらず次なるターゲットへと触手が伸びる。
あまり流通していない、流通していても高額でそうそう手が出るものではないサンバーストのフェンダーOPB。 


楽器屋直販サイト、オークションサイトを1年以上こまめにチェックしてもなかなか自分に買える金額のものが見つからない日々が続いていた昨夏。多分その時は何の気なしに「札幌 OPB」というワードでググってみたら予想外のヒット! しかも歩いて3分の楽器屋。ここの楽器屋、若者(笑)相手のボードショップと店舗が一緒になっていて、近所にありながら長年入ってみる勇気が出なかったいわくつきの店。ヒットしたブツは1年以上前に掲載されたものだし、店は入りずらいし、どうしようかと迷いながらも思い切ってレッツゴー。


そしたらまだありました!サンバーストのフェンダージャパンOPB54-145SGが。しかも店主はめちゃくちゃ感じがいい。スティングのシグネチャーモデルということで12フレットのポジションマークがスティングのサインが施されたものが埋め込まれているのが気になるところではあったのだがこれを逃したら次はいつになるものやら、ということで即購入。


スクワイアのOPBと比べてもネックが太く少し引きずらいがそれを差し引いても有り余るほどの素晴らしい1本。これを眺めながら酒が飲めるほど。いや、今手元にあるギブソン、スクワイア、ヒストリーのどれもが部屋に飾ってるのを眺めて酒を一杯というのが楽しくてたまらなくなるほどなのだ。(もちろん弾いてもいます)


CD、DVDのコレクションと合わせて4本のギターとベースがひしめき合うマイルーム。そろそろ収納も限界なのだが、バイオリンベースにリッケンバッカータイプのベースとまだまだほしいベースが後を絶たない。


バンドもやってなけりゃ、ろくに弾けもしないのにと言うなかれ。

次の1枚、次の1本が働く原動力のひとつになっているのだから。

そんなもんでしょ、人生なんて。