音詩昔侍 -2ページ目

音詩昔侍

音詩(おんし)
物語・詩を
音の流れで表そうとする音楽のこと

あなたの涙となった

そうして気づいたことがあった


あなたはアンドロイドだと

あなたが自覚していないということを


元が人間だったのではなく

元がアンドロイドのあなた


体の隅から隅まで

解剖して見たわけではないのだから

人間と思っているのも無理はないです



アンドロイド独特の行動が

たまに出るあなた
あなたの涙となった


彼の一日は

あなたの一年分に相当します

涙になりますか


あなたが彼を彼だとわからなくなるよりいいですか


彼はあなたを覚えています

今はまだ




あなたの涙となった

犬があなたに追いついた


追いつくまであなたの片目となった

見えていたもの

それは花

あなたが花を愛でていた

割れた幹から咲いていた


見えていたもの

それは犬

あなたが犬を愛でていた

帰り道の住宅街

玄関先の犬


いつもウインクして

犬もウインクしていたね

あなたの涙となった

のち親知らずのち髪の毛一本


駐車場完備って

駐車場浣腸に見えるよねっ


なんて

ほのぼのとほざき倒すあなた

凍りつく犬


犬があなたに追いつくまで

あなたの片目となった

あなたの涙となった

のち親知らずのち髪の毛一本となった

何にでもなれそう


ただし

何にでもはなれないよと

涙になる前に天使に言われた


あなたの心臓が止まるとき

心臓にはなれない





あなたの涙となった

のち親知らずとなった

歯医者さんのあれやこれやで抜かれる前に

あなたの髪となった


大きな役割を担った気がするようなしないような

この一本を

最後に愛でるあなた



あなたの涙となった

のち奥歯もとい隠れ親知らずとなった

隠居生活は飽きた


突起物に反応したあなたの舌が

わたしの顔を触る

ずっとずっと触る

しつこい


顔をやめて足を出す

足裏をずっとずっと舌で触るあなた





あなたの涙となった

のち奥歯となった


あなたの姿はもう見えない

目が合うことはなくなったが

あなたの骨や皮膚組織からの骨導音で

声が聞こえるようになった


全ての

寝言を聴くことと存じます


隠れ上あごの親知らずより




あなたの涙となった

というのは飽きた


あなたのう○ことなった

ちょっとイヤ

いやだいぶイヤだ

あなたの奥歯となった


よく噛んでクソして寝ろよ


あなたの涙となった

青空の下

涙のプリズム

ちいさな虹の粒