ロックガーデン神戸 | あ、大丈夫、大丈夫、俺Mだから

あ、大丈夫、大丈夫、俺Mだから

あえて男性が、女性の性器に関する書物を執筆しようとするならば、女性の所有物に対して、著者として心の底からの敬意を抱いていなければ、それは不可能であろう。 フーシェ・ファン・デァ・スホート(『ヴァギナの文化史』「序文」)

<9月13日(日)>

 

12日(土)に林さん&せきしゅー&ジュン&俺の4人で京都で飲む

最近、ほど良く頭がおかしくなっている俺は、いつも通り酒も飲まずに一番うるさくしゃべり、内容も意味不明なヤベえのをぶっ込みまくった

もし他の客に非番の警官がたまたまいたりしたら緊急逮捕されていたのは間違いない

 

飲み会の後、神戸の俺の家に泊まったジュンと、お熱い一夜を過ごす

翌12時を過ぎても起きる気配のない全裸のジュンを横目に見ながら、「あ~、AV見ながらオナニーしたいから早く帰ってくんねえかな~」と思っていると、ようやく「とりあえず昼メシはカレー味のウンコが喰いたいっす」と言いながら目覚めるジュン

あれは寝言ではなく、完全に目覚めてからの発言だったと俺は確信している

 

14時ごろに家を出て街歩きしながらロックガーデンへ

クレープ食べたりポートタワー眺めたりしてるうちにまったりしてきて、「もうクライミングとかどうでも良いから帰ろうぜ」と提案すると、「いや、でも昨日と一昨日レストしてるから、軽くでも良いから今日は登りたいっす」とジュンは頑固に言い張る

こいつ、クライミングに関することだけはまともな受け答えをしてくるから困る

 

ロックガーデンは、ほどほどの大きさの活気があるちょうど良いジムで、なにより、登ってるのがちゃんと''クライマー''ばっかりなのが好感が持てる

コロナの前にちょっと流行った一見客ばっかりのファッション・ボルダリング・ジムとは違う

 

一世紀ぶりに来たジムで完全にキョドった俺は、「マスクをちゃんとつけてください」と注意されて「つまり、マスクさえつければチンコ丸出しでも良いってことですよね?」と返したりしたが、俺のロジックはなんら間違っていないと思う

 

初めて来たジムだし久しぶりすぎるクライミングだし、とりあえず様子見で10級から7級までを各1本ずつ登ってみる

すべて一撃できたが、垂壁の8級がマジでギリギリの登りだった

 

ジュンが勧めてくれた、かぶり気味の5級をやってみると息も絶え絶えに一撃

しかし、5級は一撃できるものの、4級になると手も足も出ず

5級も垂壁でホールドが悪くなると登れなかった

結局、5級が3本くらい登れて終了

 

そして、ジュンはと言うと、「軽く身体をほぐす程度」と言ってたくせに、気づけば初段を数トライで落としていたりして、ぼんやりと眺めている俺はドン引き

しまいには二段(ロックガーデン最高グレード)を一本登ってしまった

俺の全盛期でもジュンとの間には歴然とした実力差があったが、あれから10年を経てジュンは人間をやめていた

俺が一緒に神戸の街を歩いた男は、ジュンの皮を被ったモンスターだったのだ

「血だ、処女の血が飲みたい」と俺の隣で頻繁につぶやいていた理由が、その時にわかった

 

ロックガーデンを出る時、「写真撮っても良いですか?って言われてプチ有名人気分を味わえました」とジュンは喜んでいたが、その写真は要注意人物としてSNSで拡散されるのだろう

 

俺の家に戻って二人同時にシャワーを浴びた後、ジュンを駅の改札口まで送る

俺もジュンも近い内に死ぬ予定なので、最期におぞましい思い出が作れて良かった