「国敗れて山河あり」

有名な杜甫の詩です。題名は「春望」

戦争がおこったわけではないけれど、まるで戦争の後のような光景・・

国が敗れたとしたら、相手は自然の猛威でしょうか。

津波で地形は変わってしまっても、放射能に汚染されても山河は残っている。

遠目からはあまり変わらないように見えても、近隣の方々の生活は180度

変わってしまったのでしょう。

あたりまえのことが、あたりまえでなくなるとき、人はそれをどう受け入れていけ

ばいいのでしょう。被災した方々のなかには老齢の方はたくさんおられます。

戦争を乗り越え、戦後の復興でがんばり、静かに老後を過ごしてきた方々の

最後にしては、あまりにも悲惨です。

また、将来が一変した若者もたくさんいるでしょう。

決まっていた進学を断念したり、仕事を失ったり・・・

杜甫はつづけて詠んでいます。

「城春にして草木深し」

だれもいなくなった瓦礫のような城にも春はやってきて、草木が生茂っている。

どんな状況になったとしても

自然はまたあたりまえの摂理を繰り返すのです。

時間はかかりますが、かならずもとに戻っていきます。

がんばってください。