行きたい場所に行けないならこんな船に意味はあるのか。
いろんなことをした。とはいっても、行ける場所は限られている。
水漏れしている場所から船員を一人無理やり連れだしたのだ。
だが、すぐにほかの船員に連れ戻された。
ほかの船にすれ違うことがあった。
「やっほー!!」
「あ!!」
舵をしっかり操っている。
「すごい・・・え・・・!?」
「そっちはまだ操れてないのー?」
「あ、え、おは・・・おはずかしいです・・・」
「船員のしつけ、した方がいいわよ。」
「しつけって・・・」
「頑張って。あきらめないほうがいいよ。すごーく楽しいから!人生って、素晴らしい!」
行きたい場所があるのに。
「こっちに行きたいの!行きたいんだってば!」
こっちには、望む未来が待っているはずで。あっちは今までと同じ未来がずっと続くはずで。
「え・・・うそ、うそ!!」
突然、目の前に大きな山のような黒い何かが、そびえたっていた。
「ちょ、ま、たすけ・・・」
舵を必死で動かそうとするが、舵は相変わらず動かない。
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
完全に座礁した。
「じょじょじょ、冗談でしょ・・・なんでだよー・・・」
「あーあーあー・・・」
さっきの人だ。
「見事に座礁したね・・・」
「ううう・・・もういい、どうせこのまま沈むんだぁぁ・・・」
「あのね、この船の仕組み聞いてないの?」
「しくみ?」
「これは潜在意識の船だよ。」
「せんざいいし」
「潜在意識はいつも通りに動こうとするのよ。おかげさまで私たちの本体は、今日も心臓も動いてるし臓器も動いて私たちは生きていられるのよ。」
「じゃあ、私って?」
「あなたは顕在意識。」
「けんざいいし」
「やってみなさいよ、知っていることを全部。」