有名なバンドのボーカルさんが熱唱中に突然とめて
客席の女の子が嫌がってるのに顔をベタベタ触ってるおっさんに注意して追い出したって話。
観客達がさすがー!ってなってて
私も思い出したよ。
初めてアメリカ行った時
無謀にもホームステイで
だけどビビリの私は英語堪能な友達と同じ町で
何かと一緒に行動してました。
が。
さすがにホームステイ先は違うので
「1人でバスに乗る」という行程もありまして。
英語は話せないけど読めるという変な教育を受けた私は
ダウンタウンで待ち合わせて
何故か全く違う方向へと進むバスの座席で
「読めもせんのかいっ!」と小さくなって震えてましたの。
ダウンタウンに着くはずのバスは明らかに
コンビナート的なところに着きました。
ふひぃ…
勇気を出してドライバーの女性に
私はバスを間違えましたと申し出て
目的地に行くにはどれに乗るべきか尋ねました。
結構な勢いで
「なんで途中で言わんかったんかい!!」みたいに怒られ
早口で分からん!だけど怒られてるっ!!アメリカこええ!!てなって
プリプリしながらも乗るべきバスを教えてもらえて待ってたんです。
少し弱った状態で。
するとこの流れを見てたミスターが寄ってきました。
親切そうな笑顔で
こいつ絶対詐欺師や!!みたいな顔で。
親切に話しかけてくるけど絶対詐欺師だし
コンビナートに埋められるのも嫌だし
適当に返事しながら
やっとバスが来たので生き延びた〜〜ってバスに乗ったら
詐欺師も乗ってきた…。
なんで私に狙いを定めてるんだこの詐欺師…。
話したくないので
2人掛けの座席の通路側に座り
ボチボチ埋まる座席で、ちゃんと窓側に座ってる人も居るから
生き延びた〜〜
と思いきや
「隣どうぞ?」ってしたマダムをスルーして
詐欺師は「寄ってくれない?」と私の隣に。
まだNOと言えない日本人だった私は嫌々窓側に移動して座らせました。
私はターゲットだ、と自覚しながら。
それから軽くスルーしてるのにひたすら話しかけてくる詐欺師。
すると何故か前の席に座ってた薄らハゲのミスターまで絡んできた。
全く相手にしてないのに、めげずに絡んでくる…。
そのうち2人が言い合いしだした。
私は窓にへばりついて、ひたすらバスが着くのを待ってた。
神様、男性2人が私を取り合うみたいなシチュエーション
ほんの少しの憧れはあったかもしれませんが、これは違います。と心で唱えながら。
そこに
ずっとやり取りを見てたらしい
後ろの方の席にいた若い男子の声。
「明らかに嫌がってるじゃん、やめろよ」(多分)
この声を皮切りに他の乗客も
「そうだそうだ」と何かを詐欺師達に言いだした。(多分)
そして詐欺師はNOと言えない日本人の私に
「皆がこう言ってるけど、嫌なの?どうなの?」と聞いてきた。
こ、ここまで舞台が整えられたら私もありったけの勇気を掻き集めねば。
「い、・・・嫌です。」
私がNOと言えない日本人を卒業した瞬間でした。
って事でアメリカにはヒーロー文化があるんだなと学びましたし
バスの女性ドライバーは怒らせないように
ミスったら即言い出すべきだとも学びました。
そして「Thank you」すら言わずにバスを降りてしまい
あの若いヒーローに
今ここでサンキュー。
こんな良い話をしましたが
相変わらず化粧が上手くいかず
なんとかカタチを整えたかった眉毛はひたすら濃くなり
本日もゴルゴ出勤です。
行ってまいります。