体内の血液がキノコ雲のようにのぼっていくのを感じたほど。
溢れる涙を拭って手元にある仕事をなんとか一区切りつけて、耐えきれずトイレに閉じこもって、壁を蹴り続けた。
(壁、ごめん)
心の底から死ねって思った。
お前は何課の課長なんだよ。
イエスかノーか。それを聞きに行っただけなのに。
なんだその言い方。
上層部が腐ったボケジジイばっかで、こんな職場辞めてやろうか!ってくらい怒り狂ってた。
いい人の仮面を被ってる腹黒ジジイめ。
だから厄介なんだ。
もう見るからに悪者なら、まあこいつじゃなぁと思えるし、周りにも愚痴を言えるけど、いい人の仮面を被ってると、私が悪いのかな?って。
周りも自分自身も思うじゃない。
でも自分が何で怒られたのか全く分からなくて。
腑に落ちない。
トイレにいってもスッキリないし、スッキリするほど泣いたら周りにもバレそうだし。
ちょっと泣いて、あとは帰ってから涙も怒りも爆発させようと、目を冷やしていたりしたんだけど、同じ課の先輩が様子のおかしさに感づきまして、心配してくれて。
私は何も言わなかったんだけど、アイスくれてちょっと休憩してきなって言ってくれて。
その優しさにまた涙が止まらなくて泣きながらアイスを食べていたんだけど。
別の課の女性がたまたま休憩室に入ってきて、これまた私の様子のおかしさを感じたのか、お菓子をくれまして。
なんかもう申し訳ないのと優しさに感動したのとで涙が止まらずまたまたトイレにしばらくこもって泣いていて。
戻ったら私の失態(?)を報告しにきたっぽい腹黒ジジイがその優しい先輩にところにいて話してまして。
先輩は何も聞いてないので、???という感じ。
私がそいつと顔を合わせると暗い声で申し訳ございませんでした、とか、すいませんでした、とか謝っている様子を見て、こいつと何かあったのでは?と感づいた先輩が、それを解決しようとしてくれて、どこの課の持ち回りのものなのか私に代わって動いてくれる様子を感じた。
申し訳なかったけど、口を開けば涙が溢れてきそうなので、しばらくフリーズしていた。
うちの課の課長が、他の課の課長にどこの課の持ち回りか相談に行き、腹黒ジジイの課の持ち回りということになった。
しかし腹黒ジジイは折れず。口論の末、その上の上司が入り、結局、腹黒ジジイの課の持ち回りということに落ち着いた。
そりゃそうである。
誰がどう見たって、そいつの課の持ち回りなのだから。
うちの課長が、あいつのせいでかわいそうなことしちゃったねと労ってくれた上で、私の様子がおかしかったことをその腹黒ジジイに伝えてくれたみたいで、私に謝りにいくと言っていたようだが、結局来なかったし、謝りにきてほしくもない。
だってそのジジイが、自分が悪かった、って思っているとはとても思えない。
今回の件で、そいつに対する、うちの課長・他の課の課長・その上の上司の心証が悪くなったのは確かであろう。
体裁を気にするそいつの気持ちになると、散々ごねた上で結局自分の課の持ち回りだったとなって、周囲から白い目で見られるきっかけを作った私に対し、悪く思ってるどころか私のせいで自分の評価が下がったくらいに思っているのではないか?って思う。
まあ体裁を気にするあいつのことだから、謝りにはくるだろう。で、いい人の仮面をかぶるお調子者なので、なんとなく笑いにかえて、みんなのご機嫌をとって去っていくだろう。
私も私で、なんとなく愛想笑いをして、その場をやり過ごすだろう。
でもうわべだけである。
もう私はあのジジイの本質を見抜いた。
周りは気づいてなくても、私は分かってる。
もう二度と信用しない。
前から薄々気づいていたけど、「いい人」で通ってるから、感じないようにしていたんだ。
その腹黒ジジイの部署の部下の失態を謝罪しにきた時も、なんかちょいちょい寄って雑談をしにきた時も、私が社内規定で無理だと言ったのに全然分かってもらえずなのに先輩が言ったらすんなり聞き入れていた時も、自分の部署の部下のことをいくら誰から見てもひどい人だって言ってもみんなの前で悪口を言っていた時も、胡散臭さは感じていた。
今回の事で核心に変わりました。
自分のとくになりそうな人には気を使うような人のようだし。
この世で一番嫌いな人種だ。
