友人から預かっていた辞書と手紙をLに渡す。

手紙で友人は私の世話を頼んだようだ。


辞書と書いているが

この辞書は日本語を学ぶ外国人用の辞書だ。

2年前、Lは日本語を勉強していたそうだが

まだ片言しか話せず、

意思の疎通は英語の方が多かったと友人は話していた。

しかし、私が会った時はもう少し上達していた。

L自身、日本語よりもドイツ語英語の方が仕事で使うことが多く

これらの言葉の方が得意と話していた。

辞書を手にしたLは


これからもっと日本語を勉強できるビックリ


と喜んでいた。

時間が前後するが、Lと最後に会った4年前、

彼の部屋にこの辞書があったことを確認している。

あとで聞くと

外国人からこのようなものをもらったのは

初めての経験だったそうだ。

それだけに非常にうれしかったそうだ。


LはGHで夜勤をしていたが

GH従業員の中でも、外国語ができることもあって

日中は宿泊客を案内していた。

言葉の練習と副収入を兼ねていたようだ。


翌日からLがカトマンズ市内を案内してくれた。

Lはリキシャーオートリキシャー

そしてL曰くの散歩を上手く組み合わせ

カトマンズ市内を堪能させてくれた。

カトマンズ市内は大気汚染があるものの

それを除けば、ただ散歩するのが最高に好きな街だ。

これも最初にふらついた時の印象がよかったからだろうか?

この手のガイド?に対して一種の不安が生じるのは普通の感覚だろう。

紹介してくれた友人は、同じ年のわりには人生経験が豊富だったこともあり

人を見る目は確かだったし

私自身、彼を信頼していたのでLも信じていた。

金銭的なことも、彼はガイド料など一切要求せず

私が幾らかでも渡そうとすると


「辞書のお礼だよ」


というだけで、一切受け取ろうとしなかった。

(これはその後の関係でも同じである)


このときのネパールはカトマンズポカラだけの滞在を考えていた。

Lと話していると、これにチトワン国立公園を勧めてきた。

結局、彼がアレンジして4泊5日でこの2つを周ることにした。