別名チャイナタウン、中華街。


バンコクにありながらバンコクではないような空気が漂った街、

それがヤワラート。

看板はタイ文字よりも漢字が目に付くし

匂いもタイ料理の香辛料ではなく

中華料理特有の匂いが鼻をつく。


かつてバックパッカーたちは

マレーシアホテル界隈の安宿に泊まっていたが

日本人はその雰囲気に馴染めずに

ヤワラートへ移って来たと聞く。

その雰囲気にも馴染めなかったものは

新しくできた安宿街カオサンへ移り住むようになったらしい。

ヤワラートにはジュライホテル楽宮旅社という

超有名2大安宿が存在していた。

楽宮旅社は谷恒生が小説の題材にしたこともあるので

知っている方もいるだろう。

今では2軒とも廃業してしまっている。


ジュライホテルの目の前にあるロータリー、

通称ジュライロータリー(7月22日ロータリー?)。

夜になると、いくつもの屋台が立ち並ぶ。

日中は行動を控えていた旅行者が少しずつ集まってくる。

飲まない私もなぜかその輪に加わっていたりする。

ジュライホテル、楽宮旅社の廃業により

日本人旅行者はほとんどいなくなったと聞く。

今では台北大旅社に数人の旅行者が泊まっている程度だろうか。

(4,5年前までここを定宿にしていたバックパッカーの知り合いがいたが今は音信不通)


初めてヤワラートに足を踏み入れた時

その独特な雰囲気に圧倒された。

今では年に数えるほどしか行くことはないが

それでもその独特の雰囲気には違和感を覚えざるを得ない。


先日、久々に買い物のためヤワラートに行ってみると

懐かしさを感じると同時に

以前感じた怪しさというものが薄らいだような気がした。

白人旅行者も以前は見ることがなかったのだが

最近ではガイドブックを片手に散策している旅行者の姿も

見かけるようになった。


しかし、バンコク、それもスクムビットを中心とした

外国人居住区を生活の拠点にすると

ヤワラートはタイでもバンコクでもない異国に思える。

最も身近な異国といっても過言ではなかろう。