チェンライ空港にはJだけでなくIもPも待ち構えていた。IはSにこれから式が行われるまでの段取りを説明をする。支度金としていくばくかの金を渡すと、Pが一人でJの実家に向かった。SはせっかくJと二人きりで過ごせると思ったが、Iが付きっきりで世話をするので、少しIがうっとうしくなってきた。しかし、細かい話はJと2人きりではできないので、我慢せざるを得なかった。Jは結婚の実感が全くなく、Sとの会話もほとんどなかった。それでも衣装合わせなどを行っていると、1日はあっという間に過ぎ去ってしまった。
式当日、Iの手配した車に乗ってSやその友人知人は新婦となるJの実家に向かった。「おらが村の娘が金持ち日本人と結婚した」というわけで、村では前日から宴会が催されていた。もちろん宴会の費用はSが出したものだ。これまで村で小さくなっていたJとJの母親は鼻高々だった。
式はスムーズに執り行われた。結納金のお披露目では、村人がこれまで見たことのないような現金が差し出された。Jと母親は感極まっていた……
式が終わり、SとJはようやく二人きりになることを許された。Sはうれしかったが、Jはちょっと憂鬱だった……
(この話はフィクションです)