バンコクに着いた3人はすぐにJが働くMPに向かった。最初はSが一人でJに会いに行った。借金の額を再確認するつもりだった。JはSがそんな大金をすぐに払えるとは信じられなかった。実際、Sもそれだけの金額をすぐに用意できるわけではなかった。金がなければ交渉はできないとIが言うのでSはすぐに帰国し、Iの口座に身請け代と手数料を振り込んだ。Iは報酬が振り込まれた途端、俄然張り切った。愛人のPがMPのオーナーの元へ交渉しに行ったが、Jから聞いていた金額の数倍の身請け代を請求された。押しの強いPが交渉しても埒があかない。Iはやむを得ずSに連絡し、身請け代の高騰を伝えた。Sは資産家の割には金銭にシビアだった。しかし、Iも日本人に対しては強気だ。SとIの間で激しい交渉が続いたが、惚れた弱みでSが妥協して、さらなる金額を振り込んだ。
交渉の末、ようやくJはMPの仕事から解放された。最初にJの母親が受け取った金額の5倍以上の額で身請けされたのだ。もちろんJはその額のことは知らされていない。転売されてまた別の店で働かされるのかと思った。怯えながら店を出たJはPから真相を聞かされ、ようやく笑顔を見せた。Pに連れられてJはチェンライに向かった。
チェンライに戻ると、PはJと一緒にPの母親のところへ向かった。Jの母親にSの存在とSがJと結婚したいという意志を持っていることを伝えた。もちろんSがただの日本人というだけでなく、相応の資産を持っていそうなことも伝えた。Jの母親は結婚を了承し、結納金の額を提示した。もちろんその額の一部をIとPに払うことも話し合われた。この間、JとSは電話でほとんど話すこともなかった。
身請け完了と結婚の了承を得たという連絡を受けたSは、結婚式の手配をIとPに任せ、数日後結納金を持参して再びチェンライに向かった。
(この話はフィクションです)