電気が通じるようになってから2ヶ月が過ぎたころ、この村を久々に訪れた。まず夕食の時間が遅くなった。食事の準備が短時間で済むようになったせいか、農作業から戻ってくるのが遅くなったのが理由だろう。テレビのある家はこの家だけらしく、食後に村人が集まってくるのは以前と同じだった。だが、その数は以前ほど多くない。テレビが以前ほど珍しくなくなったのもそうだろうが、家に蛍光灯程度の明るさは確保できるようになったので、家でなにかしらやっているのだろう。もしかしたら、所得格差が生じたことによって、多少の軋轢も生じているかも知れない。この点は、長く住んでいてもよそ者にはわかりにくい(わかった気にはなれる)ことだと思う。

4年も経てば住民も多少入れ替る。幸いにも亡くなった方はいないようだが(なんせ村とは言えない集落レベルなので、人口もたかがしれている)、見知らぬ顔の住人が増えている。「あれ、あんな子いたっけ?」と知り合いに聞くと「ああ、最近移ってきた家の子供」という答が返ってくる。中には「いたよ、この前写真撮ってやったじゃない!」と言われることもあるが……さらに子供が生まれた家庭もある。学校に入るために村を出た子もいる。もともと同じ顔に見えてしまうので、何度行っても覚えられない子供がほとんどだが、さすがに4年も経つと顔立ちが変わってくる。心の成長も感じられる。以前は「ピー○○○」とよく声をかけられたものだが、最近は恥ずかしがってきたのか、声をかけることをためらうようになった子が多い。以前はよく話し掛けてきた女の子も、年頃なのかあまり顔を出さなくなってきた。


思いつくままにこの村の変化を書き綴ってみた。このような変化はどこの村でも起こっていることだと思う。しかし、電気が常時使えるようになったのは、本当に大きな変化だと思う。それについてとやかくいう資格はよそ者の自分にはない。こういった村社会に入り込むのは容易ではないことも承知している。だからあくまでも部外者として、この村をいつまでも見守っていたいと思っている。


今回はこれで終りますが、後日、この村に行く機会があればまた書いてみたいと思っています。