「日常会話に不自由しないようになるまでどれくらいかかりますか?」

タイ語を勉強し始めた人がよくする質問である。だが、私自身このように聞かれると答えに窮してしまう。個人の能力の差だけでなく、「日常会話レベル」というあいまいな定義は人それぞれ異なるからだ。私自身、自分のタイ語は「日常会話レベル以上ビジネスレベル未満」と思っているが、実際のところ自分のタイ語がどこまで通じているかは非常に疑問である。例えタイ語としては間違っていても、シチュエーションによって相手は何を言っているのか、何を欲しているのか見当がつき、それによってコミュニケーションが取れているケースは決して少なくないと思う。例えば、トイレに行きたいとき「トイレはどこですか?」とタイ語で訊ねたとしても、それは質問者がトイレに行きたそうな表情をしていたり、「トイレ」または「ホン(グ)ナーム」という言葉で判断された可能性も十分ありうる。文法や声調が滅茶苦茶でも、意思の疎通が全くできないわけではない。単語だけで押し切ってしまうことも不可能ではない。話すことはできても、文字の読み書きはできないと言う人も居る。このような状態で「日常会話には不自由しない」というのが正しいことなのかどうなのか、人それぞれ判断は異なると思う。

そんな私は初対面のタイ人と話したり、電話でタイ語を話すのは非常に苦手だ。相手の言ってることが理解しにくいこともあるし、対面して話すときは多かれ少なかれボディランゲージと言うものが使えても、電話では相手の動きや表情は一切見えないので理解しにくいし理解されにくいからだ。話し慣れている人間であれば通じるタイ語でも、他の人には通じないケースも多い。外国人と話し慣れていないタイ人と話すときは、かなり苦労するのも事実だ。


ロングステイに関する文章を書いているとタイ語学習の話題になり、ふと自分のタイ語能力を振り返ってしまった。