一般的にタイ人は地図か読めないと言われている。よく旅行者がタクシーの運転手に地図を見せて「ここに行きたい」などと言っている場面を見かけるが、たいていの運転手は地図が読めず、話が進まないことがほとんどだ。だが、私の経験したこの話はそれ以前の問題だと思う。
チェンライで生まれ育った20歳の娘が「メーホーンソーンってどこにあるの?」と尋ねてきた。彼女は当時、ポーオーソー(日本でいう短大、専門学校といったところか?)に在籍している学生だ。どうも冗談で聞いてきたわけではないので、説明したのだが……もちろん地図で説明なんて出来ない。チェンマイの隣、西にバスで何時間くらい、そんな説明だがそれさえイメージがなかなか湧かなかったようだ。
別のタイ人の話。チェンライで生まれ育った25歳、チェンマイで働いている。「ナコンサワンってどこにあるの?チェンマイまでバスでどれくらいかかるの?」と尋ねてきた。この女性は4年制大学を卒業している。「バンコクとチェンマイのちょうど中間くらいにある」と言ってもピンと来なかったようだ。「その上(北とは言わなかった)は何県?その上は?」と繰り返すので、チャンワット(県)かどうか自信はなかったが、地図を見ながら表記されている都市(県かな?)を全て読み上げ、ようやくイメージがつかめたようだ。
日本人の場合、埼玉出身の人が千葉県の場所をわからない、というのはちょっとありえない話だと思うし、電車や車でどれくらいかかるのかと言うのは、なんとなくイメージできると思う。しかしタイ人は、それなりに教育を受けている(ことになっている)人間でも、こういうことがありうる。
この国の初等教育とやらはどうなっているのだろう?地図の読み方云々以前の問題のような気がする……