チェンライの街から北西に数十キロ。コック川の北側に位置する。村の手前までは道も舗装されており、ほとんど道も平坦であることから、初心者がバイクで行くのも問題なかろう。チェンライにはいくつものNGO団体が活動をしているが、この村にもあるNGO団体が入り込んでいる。そのNGOが設立したのかどうか定かではないが、村には博物館があり、リクエストすればビデオ上映も行ってくれる(確か20B程度)。博物館では民族衣装などが飾られており、山地民の生活を知ることができる。また、お土産屋も併設されている。

山地民の村に日中行っても、いるのは女性や子供、そして老人くらいで閑散としている。多くの人が少し離れた畑や森で仕事をしている。若者は街に出て働いていることも多い。また、民族衣装を期待している人も多いだろうが、最近の山地民は民族衣装を日常的に着ていることは少なくなった。「ハレ」の日に着るハレ着になっている。このラフの村でも、ほとんど見ることはない。

旧正月のある日、友人に誘われてラフの夜祭りを見に行った。20時前に到着すると、すでに民族衣装を着飾った村人たちが、踊り始めるのを待ちかねている様子だった。21時過ぎ、ようやく音楽が鳴り始めると、祭られた豚の頭の周りに円を作って踊り始めた。リス族の単調でゆっくりとしたリズムに対して、ラフ族のそれは力強く、ステップも10種類以上はあるようだ。リズムが変わるたびに人も入れ替る。若者にとっては恋人探しの場所だ。意中の女性といつのまにか消えてしまった男もいる。周囲では、踊らずに酒を飲んでいる人もいる。旧友と久々に再会して語り合っているのか……踊りに興味のない子供たちは、爆竹を鳴らして遊んでいる。今日だけは無礼講なのか……

寒くなってきたので、同行した友人の知り合いの家にお邪魔させてもらう。この村には電気は来ていなかったが、自家発電でテレビを見ていた。しかし、村人が見ていたのはテレビ番組ではなく、別の民族が踊っているシーンだった。どうやら新たなステップの研究をしているらしい。

24時を過ぎ眠くなったのでチェンライに戻ることにする。友人の知り合いであるおばさんが、腕になにかを巻いてくれた。「また来年もおいで」と言うことらしい。