昨年、たくさんの心残りのなか、父を亡くした。
「葉ざくら」のPV動画を初めて見た時、父親が病室でみせる笑顔と自分の父親の笑顔が重なり、葬儀にすら出られなかった事をしょうがなかったんだと言い聞かせて閉めていた涙腺を決壊させられた。
丁寧で真摯な、優しさと哀しさの中に芯の力強さもある歌唱。この人の、不思議な哀切さを含んだ声と、慟哭ともいえる4:02からの叫びに感情が同調して胸が締め付けられるのだが、この曲が秀逸なのはそこから転調して柔らかい光が差すように終わることだ。
悲しい時に悲しい歌を聴いて号泣することもカタルシスになって傷を癒すということはあると思うが、この曲は悲しみを訴えるだけではなく、それでも生きていかなきゃ!と大声で叱咤するでもなく、哀しみは内包しつつ静かな希望を見せてくれる、誠実で成熟した大人の歌だと感じる。
同じようなテーマの曲は数多あるし、目新しさがある曲調でもないけれども、やっつけ仕事でなく、こねくり回してもいない、Toshlさんらしい、ストレートで上質な楽曲だ。
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