
SL-PS700は松下電器がパナソニックブランドで1991年に発売したCDプレーヤーです。定価39,800円とただのエントリーモデルかと思いきや、当時のダイナミック大賞に選ばれるなど非常に評価の高いモデルです。
PS700の特徴は、MASH 1bitDACを搭載していることと、スイングアームメカを搭載していることです。
今までの松下のCDプレーヤーはトレイの開閉時にガシャッと大きな音を立てて安っぽかったのですが、PS700からはスイングアームメカを搭載し、静かでスムーズにトレイが開閉できるようになりました。


シャーシの底板には松下独自のTNRCベースが使われています。これは金属BMCとの2層構造になっており、振動を抑えています。

内部はスカスカです。PS70に続きセンターメカになっています。
左下の基板がヘッドホン基板です。

ここに使われているコンデンサーは標準品です。
10v47μF×2 B.P
10V10μF×2 B.P
どちらとも両極性のコンデンサーです。

メイン基板とフロントパネルを接続するコネクターは基板に直接つけられています。こちらも、松下のデッキでは多いですね。これが折れやすいので丁寧に扱う必要があります。

メイン基板です。右上が電源回路、右下がオーディオ回路になっています。サーボ回路はメカの下に取り付けられた基板にあります。

電源回路には松下のPureismが使われています。

オーディオ回路にもPureismや、オーディオ用のフィルムコンデンサーが使われています。
ラインアンプには松下お得意のclassAA回路が搭載されています。

メイン基板の裏側です。

システムコントロールのマイコンはMN1554PKK6
誤り補正などに使われるシグナルプロセッサーにはMN6626
DACにはMASH MN6474が使われています。

メカです。
ピックアップには松下のSOAD70Aが使われています。他の松下のCDプレーヤーにも多く搭載されているので移植しやすいです。
リニアモーター駆動なので非常にアクセスが早いです。
ダイキャスト製のパーツに固定されており、スプリングでフローティングされているので外部からの振動を受けにくくなっています。

メカの裏側にサーボ基板があります。
PS700はデジタルサーボを搭載しています。

電源トランスは小型ですがケースに入っています。

背面です。

出力端子はアナログ固定出力が1系統と光デジタル出力が1系統です。
シンクロエディット端子は、松下製のカセットデッキと接続し、自動録音をするためのものです。

電源ケーブルは着脱式です。

正面です。
操作ボタンは右側にまとめられシンプルになっています。
松下伝統の小文字表記が廃止され、大文字表記になっています。
MASHのエンブレムが神々しいです。
ただ、classAAのバッチがないのが寂しいです。

操作系で特徴的なのはファンクションキーが搭載されていることです。
リモコンがなくても細かな操作ができるのはいいですが、スキップボタンまで省略されているので使いにくいです。
F1~F5のキーには初期設定では
F1:テープレングス(テープの長さ設定)
F2:ジャストタイムエディット
F3:A/B面切り替え
F4:複数枚ディスク編集
F5:ピークサーチ
となっています。編集機能が登録されていますね。
他の機能を使うにはFUNCTION MANAGERキーを押して、サーチキーの左右で登録したい機能を選び、F1~F5の登録したいボタンを押すとメモリーされます。
FUNCTION MANAGERキーとCLEARキーを同時に押すことで初期設定に戻すことができます。
詳しい操作方法は、取扱説明書がパナソニックのウェブサイトに乗っているのでそちらもご覧ください。

ディスプレイは小型になりましたが、リストも表示され、表示内容は充実しています。
また、DISPLAYキーを押すことで2段階で明るさを調整することができます。
SL-PS700は「398」でありながら、非常に完成度の高い機種です。
これまでの松下の音とは違い、柔らかくて落ち着いた音になっています。
非常に評価の高いプレーヤーで、当時も売れたようで今でも多く出回っています。ただ、最近は値段が高騰している印象です。
また、この機種に限らず松下のCDプレーヤーはサーボ回路に使われている電解コンデンサーの耐久性が悪く、それによって再生できなくなる故障が多発しています。
コンデンサーを交換するだけで復活することが多いです。