
'76 1st「Unorthodox Behaviour」 '77 2nd「Moroccan Roll」3rd「Livestock」
1971年発売の「怪奇骨董音楽箱(Nursery Cryme)」 からGENESISに参加した フィル・コリンズ 。GENESISのドラマー&ボーカル&営業マンを見事にこなし自身もソロアルバムの大成功と、まさに20世紀後半のスーパースターだった。あの風貌はミュージシャンにしておくにはもったいないと思った企業の方もいたのではないでしょうか。1981年、GENESISが新たな挑戦を始めたアルバム「DUKE」発売後に「Face Value (夜の囁き) 」でソロデビュー。翌年に発売されたGENESISの「ABACAB」も含めて、GENESISのOLD FANからは GENESIS腐敗の元凶 、 商業主義 という声も上がった。ソロ3rd「No Jacket Required」が発売された1985年、GENESISアルバム「Invisible Touch」が発売された1986年、アメリカに魂を売ったなどど言う輩もいたが、フィルは 世界一忙しい男 と呼ばれるくらい、隆盛を極めた。「No Jacket Required」のアルバム・タイトルは、スーツ・ネクタイ着用必須で入店拒否されたレストランへ腹を立てた事が命名理由らしい。
話は過去に戻るが、1975年の幻惑のブロードウェイツアー後にGENESISからリーダーであったボーカルのピーター・ガブリエルが脱退、フィルがドラムと兼任でボーカルも担当する事になり、グループの舵取りもするようになった。その時に並行して参加したグループが Brand X 。セッションに招かれたドラマーに当初はクリムゾンが解散決定してくすぶり気味の ビル・ブラッフォード もいたが、契約上正式に参加できず、フィルが参加する事になった。
ギターのジョン・グッドソールを中心としたセッションが拡張して、アルバムを発売することになったBrand X。ベース・ギター・キーボード・ドラムという基本構成で、インストゥルメンタル中心のジャズ・ロック・バンド。メロディアスな部分が多いのが、フュージョンっぽい、と言われる所以だろうか。1976年に発売された デビュー・アルバム「Unorthodox Behaviour」 、1曲目の「Nuclear Burn」で圧倒される。凄まじい演奏。ハード・ロック以上のスピード感、早弾きのギター、そして フィル・コリンズ の手数の多い迫力あるロック・ドラム。特に終盤の猛り狂うドラムは見事。
画面はスライドショーです。
画面はスライドショーです。
そして2曲目の「Enthanasia Waltz」、この曲は翌年の3rd「Livestock」でも取り上げられた、ジャズ・ロックとは思えないメロディアスな曲。
1stアルバムは全曲インストゥルメンタル。翌年に発売された 2nd「Moroccan Roll」 、 3rd「Livestock」 発売後、フィル・コリンズは GENESISに専念する為脱退 、翌年にGENESISが「そして3人が残った・・・」を発売しているので、脱退理由がわかるような気がします。
ドラマーを交代して、1978年に「Masques」を発売。しかし実力不足だったのか、このアルバムのみでドラマーは脱退している。そして1979年に発売された 5th「Product」 、ドラマー兼ボーカルとして フィル・コリンズが呼び戻されて いる。このアルバムはギターのジョン・グッドソール以外、ドラムス2人、ベース2人、キーボード2人。ツインとしての演奏ではなく、 音楽性の違いからコリンズ組4人とジョーンズ組5人(内1人はパーカッション)に分かれて曲を作り一つのアルバムにした という有様。
次作である 6th「Do they Hurt?」 は1980年に発売された。フィルコリンズは2曲目と6曲目に参加、GENESISは「Duke」を発売しています。このアルバムにてBrand Xは一旦解散。92年に再結成後はマニアックな活動をしているようだ。
Brand Xはフィル・コリンズのプロジェクトではない事が、アルバム参加の経緯からもわかってくる。技術者集団の中での演奏は、フィル・コリンズにとって収穫あるものだったと思う。
1980年「Duke」、1981年「Abacab」と発売した後の1982年「Three Sides Live」。ピーターガブリエル時代の曲もメドレーで演奏されている。「In the Cage」から始まり、2曲目の「シネマ・ショウ」では、フィル・コリンズがフロントのボーカルからドラムセットに移り、ツインドラムの演奏が繰り広げられる。ドラムセットは隣同士。横から2人のドラマーを撮ったビデオも貴重なのではないかと思う。フィル・コリンズの楽しそうにドラムをたたく姿がとても印象的。
シネマ・ショウは後半4分。もともとシネマ・ショウは長い曲で、前半部分がとてもスローテンポで進む。そもそも前半部は不要なのでは、と思ってしまう自分です。
1981年にソロ・アルバムを出して以降、ポップ路線に移ったフィル・コリンズおじさん、評価は賛否両論極端に別れると思いますが、ソロはGENESISという肩書きがあったから成功した、じっとその時を待っていた。そして昨年、表舞台から引退する前には、GENESISとしてツアーを行っている。生まれ故郷みたいなグループに敬意を表したのだと思っています。自分はポップ路線に移ったフィル・コリンズとGENESISを支持しています。