今さら?と言われるかもしれませんが、
家を出る前の話をします。
夫は体の機能が低下していく病気でした。
靴の脱ぎ履き、階段の上り下り、ドアノブを捻る、狭い場所(トイレや洗面所)での方向転換、食事や服の脱ぎ着など、生活の全てが良いリハビリと言われています。
何もしなければ衰える一方です。
わざわざ難しいリハビリをしなくても、日常生活のひとつひとつの動作がリハビリになります。
認知機能に著しい衰えはすぐに出ないようですが、それも何もしなければどんどん衰えます。
病気前からあまり頭を使うことをしてこなかったし新聞や本も読まない。ニュースや時事に関する話も興味がないので話題も乏しいし、漢字の読み書きも苦手だった。
私が自分の中で、そろそろ限界だと思い始めた頃、そんな中でも「最後のチャンス」の意味も込めて本屋で小学校高学年用の国語のワークを購入した。
漢字練習とかではなく、あえて文章を読んで気持ちを読み取ったりする「長文読解」の問題集を選んだ。
読むこと、書くこと、読み取ることで頭のリハビリになると思ったので。
私は最初だから1冊だけ買おうとしたら、夫が自分で「どうせすぐに終わるから2冊欲しい」と言った。
私は心の中で「絶対やらないだろ」と思ったけど、本人が自分で決めたことなら、と思い違う種類のものを二冊買った。
やるわけがない。
家を出る話になったとき夫が言った言葉。
「やっても見てくれない」
はぁ?
うちのぴこちゃん、あんたのせいで誰も構ってくれないのに頑張ってひとりで黙々とくもんやってましたけど?
せっかくやっても誰も見てくれないし、丸付けもしてくれない。
何のためにやってるのかわからない、と言った。
マジなんなの。
子供以下。
お母さんにでも見てもらえ。
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