あどけない話
智恵子は東京に空がないと言ふ、
ほんとの空が見たいと言ふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。
高村光太郎 “智恵子抄”より
朝っぱらから(笑)
写真見て、ふと思い出した。
昔、東京の夕焼けは毒々しい紫で気持ち悪い・・
って言われたけど。
私はそれを当たり前だと思ってた。
だっていつも鉛色の板橋の空しか知らないから。
それが決して真っ暗にならない“夕闇”の前の
一瞬のマジックアワーの色だと思ってた。
ほんとうの空の色なんて
生まれ育った環境で違うもんなんだね。
ちょっと感傷的な朝の挨拶でした(´∀`)~~