まもなく私のテスト会での順位は20番に上がった。

もちろんSくんの私に対する賞賛は、さらにエスカレートする。

しかし、そのときSくんの順位は50番に…。

「すごいじゃないか、S!もう50番だなんて!」

「いやいや、まぐれだよ!Mの方がすごいよ~!」

 

その後、私は10番以内に入り、優待券をもらう。

そのときSくんは20番…。

 

そして、私が5番を取ったとき、Sくんは10番に…。

 

こっちは必死に走っているのに、Sくんはヒタヒタと満面の笑みで,

私を讃えながら,猛然と近づいてくるのである。

 

私の母は発狂寸前である。

「すぐ後ろにきているわよ!

 何やってるの?!

 がんばりなさいよ!!」

がんばっているのである!わかっているのである!

でも,どうにもならないのであるえーん

 

焦る私はついに3番に!そして、Sくんは5番!

順位を上げるたびに追い詰められてくるこの恐怖…。

 

ついに私はテスト会の1番をとった!

そのとき3番だったのがSくんである。

 

まったく喜べない…。もうだめだガーン

そのとき私はすでに能力の限界を感じていた。

 

次のテストで私は3番に落ちる。

そして,そのとき1番だったのが…Sくんである。

 

その後,私が1番をとったことはなかった。

おそらく5~30番くらいをうろうろとしていたと思う。

そして,Sくんは永遠に1番の位置にい続けたでのである。

 

さすがにそうなると,勉強面で私を褒めることはなくなったが,

それ以外のことでは,まだ毎日

「Mはかっこいいっ!」を続けるSくんであった。