N市の戸籍謄本を待つ間に,Y市の戸籍謄本をとってしまおうということで,
7月10日にY市の市役所に出かける。
Y市は、学生時代に両親と5年ほど過ごした町である。
市役所は駅から15分ほど歩く。
季節がよければちょうどいい散歩だが,その日の気温は33℃。
熱中症を恐れて,カーシェアリングででかけることにした。
戸籍謄本を申請して待つこと20分,呼ばれて財布をもって勇んで窓口に行くと,
「申し訳ございません。お父様の戸籍はまだ除籍になっていないようです」
え……まだ亡くなってないの?
6月27日に出した死亡届が,約2週間経っても,戸籍に反映されていないとは。
死亡届は,実家のあるC市に、葬儀社が出してくれている。
しかも、C市とY市は隣である。
いったいどうするとそんなに時間がかかるのか。
借りた意味のなくなった車を転がして,むなしく実家に戻る。
N市のことがあったので、郵便でのやり取りは微妙である。
これからは電話で除籍になったかどうかを確認してからでかけることにした。
事態が動いたのは7月17日。
電話で状況を確認すると,謄本は21日(金)にできるので、
それ以降においでくださいとのこと。
24日(月)、再びカーシェアでY市に向かう。除籍謄本をとるのに,約1ヶ月かかったのである。
ともあれ,夏期講習が始まる直前に間に合った!
ほっと一息ついてY市をあとにする。
両親が初めて庭付きの一戸建てを買った土地。庭の手入れに勤しんでいた父の姿を思いつつ,
もう二度とこないであろう町に別れを告げるのであった。
まさかの落とし穴にはまることになることなど考えもせずに……。