Kさんには、いくつかデイサービスを紹介してもらったのだが、
コロナの影響で見学ができるところは1ヶ所だけ。
行ってみると、利用者はほぼ女性である。
部屋の飾りは、幼稚園か小学校の低学年の部屋のようである。
テレビを中心に、高齢者がぼんやり眺めているが、ほぼ会話がない。
それでも、父のことを見てくれる第三者がいることは大切なことである。
これも出会いと、利用を決断する。
初めてのデイサービスの日。
私が実家に行く日に合わせてみたが、出かけるまでがたいへんである。
いきなり「行かない」と言い始めたり、鍵がなくなって探したり、
汚い服を着替えさせたり、迎えがきても、なかなか下に降りられない。
その夜、電話をして様子を聞く。
「どうだった」
「何が?」
「今日のデイサービスだよ」
「デイサービス?あ~、◯◯会社ががやってるやつか」
「そうじゃないよ。市がやっている介護サービスだよ」と言うと、
「あ~楽しかったよ」という。
…どうも、わかっていないようだった。