国宝の評論を読んでいると、必ずと言ってよいほど比較に上がる映画が「さらば、わが愛」です。
そして先日「上海国際映画祭」に国宝が出品され、李相日監督が上映後の舞台挨拶で「学生時代にチェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』(1993)を観て衝撃を受けたことが歌舞伎をテーマに映画を撮ってみたいという思いにつながった」と仰っていたそうです。
えー?!30年以上前に観た作品にインスパイアされ、やっと完成ってこと?!!((((;゚Д゚))))
気になって仕方がないのでアマプラ配信で観てみました。
国宝と同様、3時間‼︎しかも字幕、しかも中国語...
結局インフル陰性だった次男坊と一緒に
↑いかにも中国なこのお顔、「京劇」と言う中国の伝統的な古典演劇だそうです。
まさしく日本で言う歌舞伎のような立ち位置。
京劇のことも知りませんでしたが、あの変面(顔の面がコロコロ変わるやつ)に似てる!と思いました(孫悟空にも)
なんせ今から32年前に日本で上映された作品なので、もちろん全体的な古さは感じましたがさすがパルムドールも取った作品。観て損はないです‼︎
国宝観る前に観た方がいい!とか言われてますが、私は後の方が良かったかも
この二つの映画が比較される理由もわかりました。
どちらも映画の中で長い年月が流れます。
「さらば、わが愛」は「国宝」よりもう少し前の時代。中国の歴史が色濃く出てくる作品で少し重たいのですが、故に深く感じます。
一方「国宝」は垣間見える程度。
さらばは(面倒なので略すと青春の光の森田が浮かんじゃう)主人公蝶衣(レスリー・チャン)はやはり女形なのでここが共通点。
けれどさらばは相手形の小楼に恋をしてしまうが小楼は普通に女性と結婚をするのでずっと片思い。単純に恋愛なのか、京劇愛からなのか。
蝶衣は全てが思い通りにならずアヘン中毒に陥る場面もありますが、恋愛感情ではないが情が深い小楼は必至で蝶衣の体からアヘンを抜こうとする場面も印象的でした。妻菊仙(コン・リー)との三角関係と簡単に表現するには申し訳なさすぎる濃い映画。
最後のシーンも良かった。
観終わった頃には国宝のことを忘れてました。
全くの別物だと思いました。
さらばももう一度観るつもりです。
当時ニュースでは見聞きしていた筈ですが、主演レスリー・チャンが現実でも同性愛者でそのもつれによって投身自殺をはかったと改めて知りショックでした。
表現力が素晴らしい俳優さんは、とても繊細な心を持っているからこそ出せる演技なのかな
一方、国宝はすごくわかりやすく、それを批判する人もいますが、吉沢亮と横浜流星が同年代でこのタイミングであの作品に出会えたことは本当に奇跡であまりにも美しく! 感動を与えてくれて感謝しかない。
もうね、大谷と同じ時代に生きてる感謝✨と同レベルの感動です
国宝の頭から離れないワンシーン
(忘れられないシーンだらけで困る)
流れるように綺麗なBGM...
喜久雄が刺青を彫るシーン
あれはビオラ??ん?もう一度観たい気になる〜
ロングランに期待します‼︎絶対劇場で観ないと後悔する作品です
で締めますが、「国宝」が「さらば、わが愛」にインスパイアされた作品で尚更良かった!!
李相日監督の根っこのとこにあの感動があってここに繋がったなんて、なんて素敵💓
これぞまさしく相乗効果