レモングラスの唄

いま雪が降って

つけた足跡すら隠していく

ぼくのつけた記憶すら

隠してしまうのかな

見えない向こう側になにがあっても

そこにいかないといけないのなら

なにかを残しておこう

ポケットの、なかにある

チョコレート一個

溶けて形が変わってても

僕はそれを残しておこう

いま雪が降って

僕の歩いた痕跡も隠してしまうのなら

僕はそれを

ただ

見ているだけ。

いま雪が降って

なにもかも隠してしまうのなら

僕の記憶も隠してくれたらいい

なにもかも

白く白く

隠してしまえばいい

レモングラスの歌より。