『真珠姫とのパヴァーヌ』をお訪ね

くださいまして、ありがとうございます。

 白犬ペルルのことを金魚プクプク金魚

生まれ変わりと信じているシーム

 

 一方、亡き母の生まれ変わりと

思っている叔母ちゃん。

 

 いずれにせよ、ペルルは大切に

されているのだが、お盆も近いので、

白犬にまつわる怪談話を一つ。

 

      『諸国里人談』(江戸時代)より

 今の大阪府堺市の辺りの浄土宗の

寺に白犬がいた。

 お経を読んでいる時には、縁側に来て

伏せをしてお経を聞いていることが

長年になった。

 また修行僧が大路で念仏する時には、

衣の裾にまとわりつき、感じ入った

ように吠えた。

 

 ある年の師走に餅をつく日に、

つきあがった餅を与えたところ、

のどに詰まらせて死んでしまった。

 

 和尚は憐れんで戒名を授け、懇ろに

弔った。

 

 ある夜、僧の夢にその犬が現れて

言うことには、

 

  念仏の功徳の力によって、人間に

 生まれ変わります。

  寺の門番の妻のお腹に宿ります。

 

と。

 

 和尚はその夢のことを親に話して、

6、7歳の時に出家させた。

 

 その子は一を聞いて十を知るような

聡明叡智な子であったので、こよなく

大切に養育した。

 

 この子は幼少の頃から餅を嫌って

食べなかった。

 

 前世が犬であったことを、誰が言う

ともなく、若い僧たちの中で、白犬と

呼ぶのを、面白くなく思って、13歳

の時に和尚に尋ねた。

 

  私のことを白犬と言われるのは何故

 でしょうか。どうぞ、そのように言うのを

 止めさせてください。

 

 すると、和尚が、

 

   お前さまが餅を嫌うゆえに、

  そのように言うのだ。

 

   それならば、餅を食べたら、

   白犬と言われるようなことは

  ないにちがいない。なるほど

  そのことであったか。

   さあ、餅を食べよう。

 

と、餅の日にお膳に向ったが、

用があるふりをして、その場を立って、

そのまま行方知れずになってしまった。

 

 行方を捜したけれども、知られないよう

にしていた。  

 

 和尚は、つまらないことを言って

しまったものだなぁ、と酷く後悔したの

だった。

 

 姿を隠した僧は、いつも使っていた

手習いの机の上に一首書き残して

いた。

 

  何となくわが身の上はしら雲の

  たつきもしらぬ山にかくれじ

 

 

 ペルルがプクプク金魚の生まれ変わり

だとか亡母の生まれ変わりだとか、

言葉に出してしまうと、いつもペルル

帰ってしまうような気がします。

 

 見ざる聞かざる言わざる

とは、相手を真に大切に

すること。

 

 簡単なようで難しいことですね。

        C'est la fin de mon histoireピンク薔薇      

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