東山山麓の琵琶湖疏水に沿って
若王子橋から銀閣寺橋まで続く
およそ1.5キロの散歩道
哲学の道
若王子橋から100メートルほど北に進んだ
土手の下で、30年間
素敵な喫茶店を営んでこられた
俳優の栗塚旭さん
現在、別の喫茶若王子ブログで無断使用されていますが
上の画像は1992年にフィルムカメラで私が撮影した写真です
北海道出身で幼い頃に両親を亡くし
兄夫婦を頼って京都に出てこられたんだとか
新選組血風録で主役の土方歳三役が当たり
俳優業で稼いだギャラで
哲学の道沿いに300坪の土地を購入し
1972年春、お義姉さんと喫茶若王子を開店
(当時の雑誌切り抜き）
夜になると
シンボルの時計塔がライトアップされて
南国風の植物や枝垂れ桜と相まって
なんとも幻想的な雰囲気を放つお店でした
（これも我が家のアルバムから）
この写真はちょうど10年前に撮った写真
お店は2002年に閉店していて
営業されてた頃は
お花で飾られていた花ワゴンは
猫さんの休憩所に
（グースランプは残されていました）
階段を降りると門の前に丸ポスト
お客さんが来店記念にここから
ハガキを出せるように設置されたのかな
ピンボケしてますが
この頃は標札もありました
鉄の門は閉ざされています
美しかった時計塔も
植物が育ち過ぎて
隠れてしまいました
門の隙間にカメラを入れて撮影
荒れ果てています
私の記憶だと、お店をされてた頃は
ここから美しい石畳の道が奥に向かって
続いていたように思います
色んなお花や木が植えられていて
きちんと手入れも行き届いていて
ふんわりと花の香りが漂っていました
当時から変わった物がたくさん置かれていて
魔女の館のような怪しい雰囲気もあって
けっきょく入れないまま
いつの間にか閉店してしまいました
二枚目のアルバム写真に写っている
レトロな電光看板
栗塚邸の隣も10年前は
まだ空き地でした
空き地から見た栗塚邸
植物に飲み込まれて
どこからどこまでが敷地なのか
さっぱりわからない
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で
先月2年ぶりに来てみたら
全部無くなってる！
ずーっと野ざらしになっていた
喫茶若王子の解体が
一気に進められたようです
降りてみましょう
工事自体は4年前から始まっていて
喫茶跡と母屋以外の整備はされていたんです
その時に花ワゴンや
『でんわ☎でんぽう』の看板
ポストも撤去されました
ほんとにもうなんにもない
重機が大きな音を立てながら
ガシガシと整地していってます
1本だけ残された大きな木
ついに私は
あの素晴らしい喫茶店をこの目で見ることなく
（YouTubeよりスクショ）
栗塚さんの淹れた
美味しいコーヒーの味も知ることなく
この日を迎えてしまったのです
この門の前まで下りてきては
一歩踏み出す勇気が持てなくて
引き返し続けた日々
何度も訪れたチャンスを
後回しにし続けた結果がコレ
くそっくそっくそっ
(地団太）
それから更に２週間後
完全に更地になってしまった
ヒィー
あの木は次に活かされるのかな
片足ダチョウのエルフ（絵本）みたいで
かっこいい
見てください！
池です！
普通に若王子を利用していた家族から
聞いていた池が姿を現しました
この池はゴミと落ち葉に埋もれて
見えなくなっていたんです
完成したばかりの頃の栗塚邸は
どんなに美しい姿をしていたのでしょう
洋館造りの喫茶ルームと
日本家屋の母屋
日本庭園に回遊式の日本庭園
かつて、門横の塀の前にあった
若王子観音
(最初の工事が入った頃に撮影）
栗塚さんがこの土地を手放した後も
庭にたくさんの石像が残されていましたが
ほとんどが処分されたと思われます
そんな中、若王子観音は
とある場所に寄贈されました
皆も知っているあの場所です
このブログはもう少し
シリーズで書く予定なので
最後に移動場所のブログもUPしますね
門横のポストの中に残されたままの
栗塚さん宛ての配達物
無くなった御影石の標札
ミルクチエストと書かれた牛乳箱
石段を上って道に戻ります
廃墟を寝床にして暮らしていた
たくさんいた猫たちも
今は3匹だけです
正確には若王子公園横に
階段下のおうちの方が面倒を見てる猫が数匹と
北階段周辺にも数匹います
公園横の黒猫ちゃん
餌やりのおじさんに
おやつをもらってます
喫茶若王子のマッチ
(中身は私がピンクに入れ替えた）
ここまで綺麗な状態で残ってるの
珍しいと思う
次は最初の工事が始まって
あの鉄の門が開かれた時に
内部撮影に入った時の写真を公開します
おそらく喫茶若王子最後の姿です