新しいプリアンプ impress(インプレス)
ここ最近、熊本の機材屋さん PAS(ピーエーエス)の新しいプリアンプ impress を使用しています。夏から色んな会場で使ってみて、印象が固まってきましたのでレビューしてみたいと思います。
仕様は2チャンネルのEQ付プリアンプです。コンタクトピエゾとマグネットピックアップをここでミックスしてリバーブへと送っています。EQは3バンドのパラメトリックで、各チャンネルに付いています。
あと断っておく必要もないと思いますが、あくまで僕の使用感なので、万人がそう思うかどうかはわかりません〜!!
基本的に癖のない素直なプリアンプです。周波数特性とか知りませんがハイ寄りにもロー寄りにも感じません。
かと言って完全そのまんまの音で、プリアンプの存在を感じさせないというタイプでもないです!
レンジは広く、絶妙な空気感、オーラのようなものを感じます。
マイクプリアンプでいうと millenia みたいなポジションでしょうか。基本フラット系なんですが、音楽的な要素をほんの少しだけ足してくれてる印象です。
シンプルに言うと
弾いてて楽しい!!!!!!!
これに尽きます。
というか、これ以外になにがいるんじゃいっ!!?という感じもします。
演奏に入り込める。これはとても大事…!!
EQはさらに音楽的です。
どこをどういじってもありな音にまとめてくれます。ハイを振り切っても決して痛くならないですね。音は違いますが、この方向性は若干 ニーヴ(マイクプリアンプの名機)を彷彿とさせます…。
あとEQの周波数帯域をめちゃくちゃ小さい幅に設定できるのは使えます。ある会場で、この一音だけまわる!!っていう状況に直面したんですが、見事に音を痩せさせること無く、その音だけおさえてくれました。
ちなみにこの会場でライブ中に一人のお客様がめちゃメールしだしまして、後で聞いたらその場で制作者に impress をオーダーしちゃった(!!)そうです…。
キラーマシンやな〜!!!
今日はジャズフェスに出演してたんですが、バンドの後のソロギター演奏だったので、薄っぺらく思われないよう、いつにないほどローをぐいっとブーストしてみました。今まではそういう時って当然ベースがビシバシ聴こえて、エレキベースを引き連れてるかのような音像になってたんですが、impress の場合はウッドベースが現れました。
制作者の方が言ってた生々しいってこれかぁあ!!と感動。
制作者の方が言ってた生々しいってこれかぁあ!!と感動。
ちょっと褒め過ぎたかな…
PASさんのまわし者ではないんですが…
難点も書いておきます。
こういったハイスペックなプリアンプに共通だと思うんですが、基本的に音を良くするものではなく素直に増幅するものなので、ギター本体とピックアップがちゃんと調整されてないと良い結果にならないでしょう。悪いとこも素直に拾ってくるやつです。
あとは操作性ですね。僕のは3バンドのフルパラメトリックEQが2チャンネル分付いています。自分でオーダーしておいてなんですがツマミの数が相当です。
リハーサルに十分時間が取れない場合はこれがネックになるかも知れません。この辺りは一個一個オーダー製品なので、自分のライブ環境にあわせて機能を簡易化しても良いかも知れません。周波数固定してハイ、ミッド、ローの3つツマミにしちゃうとか…。
僕の個人的要望だとローの帯域は更にもう一個EQが付いて、全体的にローをブーストしたりしつつ、まわりそうな一音だけ抜くっていう事ができたりすると嬉しいかも…!
最後に外見です。
今のところ impress はデザインもオーダーできます。ノブやパネルを好きにできます。大きさなどの制約はつきますが…。
録音業界には「機材の外面が既に音を表現している」という格言がありまして(僕はあると思っている)、ロックでシルキーなニーヴ、フラットかつ煌びやかなグレイスデザイン等、枚挙に暇がありません。
格言にそぐわぬよう、試作機の音を聞いてイメージした外見にして頂きました。この面構えから音を感じて頂けると確信しております。
写真をどうぞ!!!