どうも、カンタとヨロンのおやじです。


前回からの続き。私の好きな「楽しいムーミン一家」のエピソード第2位です。

例によってネタバレ含みますので、これからご覧になろうとしている方はお気をつけ下さい。


第2位「寂しそうなパパ」
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ストーリー
パパは最近忘れっぽくなってきています。そこでそれまでの生活を変えて、若返りを図ることにしました。でも、少しずつパパが疲れてきて…(公式サイトより)
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まずテーマが凄い。

このお話で描かれているのは“老い”です。


物忘れに悩むムーミンパパは、自らの老いに抗い、徹底的な肉体改造に励みます。


さらに、若さを保つためには自分の生活習慣に変化を与えるべきと考え、“昼間寝て夜起きる”という昼夜逆転生活を始めます。

しかし、あまりにも過酷なその生活は、次第にパパの体力を消耗させていきます。


一方その頃、パパの体調を心配するムーミンママは、ムーミン達を呼んであるお願いをします。


「一緒に花摘みをしてちょうだい」
 
ママのお願いを快諾するムーミン達でしたが、なぜかママはその理由を深く語ろうとはしません。

しかもママは、自分のお花畑にある花を全部家に持って帰りたいと言うのです。

不思議に思いながらも、花摘みを手伝うムーミン達。

ようやく全ての花を荷車に積み終えた頃には、辺りはすっかり日が暮れていました。


その日の夜。

ムーミンパパは一人、荒波に揉まれながら海を泳いでいました。

海から這い上がったパパはもうヘロヘロ。それでもパパは自分を奮い立たせ、走り込みを続けます。全ては若さを取り戻すために。

しかし体力が限界に達したのか、パパは森の中で眠りについてしまいます。目が覚めた時には、既に夜が明け始めていました。


慌てて家へと急ぐパパ。ゲッソリとやつれたその顔には、疲労が色濃く滲み出ています。若返りどころか、何十歳も歳をとってしまったようです。

ようやく家の前まで辿り着いたパパの足が、はっと止まりました。

そこには、思いがけない光景が広がっていたのです。


色とりどりの花々に包まれたムーミン屋敷!


「なんと…」

そのあまりにも美しい姿に、パパは息を呑みます。


「これは…どう見てもママの考えた事だな」

ムーミン「そうだよパパ!」

帰ってきたパパを出迎えるように、ムーミン達が家から出てきました。


スナフキン「パパ、どうです? この花でいっぱいのムーミン屋敷は」

パパ「そりゃ文句なしに素晴らしい。特にこの朝陽を受けたムーミン屋敷は夢のようだ」


ムーミン屋敷を見つめながら、パパはママに語りかけます。

パパ「安心したよママ」

ママ「何がです?」

パパ「ママは私が考えてるよりずっと若いようだ」

ママ「ありがとう。パパだって、私が考えていたよりずっと若いわ」


パパ「私が? 本当に?」

ママ「本当ですとも。若返り法などというとんでもない事は、気持ちが若くないとできません」

パパ「ありがとう…」

この日を境に、パパは元の暮らしへと戻るのでした。


最後に二人を見つめるスナフキンの優しい眼差しにいたるまで、もう最高に次ぐ最高。

私はこのエピソードを見る度に涙腺が決壊します。

“若さ”とは何か。“老い”とは何か。人間にとって最も大切な事は何なのか。その全てが凝縮されたような一編。その輝きは、時が経つ程にこれからも増していく事でしょう。


これが一位でも全然良いんですが、もう一編、お話ししたいエピソードがあります。

そちらは次回お伝えします☆