先日観てまいりました。
シネマ歌舞伎『刺青奇偶(いれずみちょうはん)』
長谷川伸 作の人情芝居です。
あらすじとしては…
博打打ちが過ぎて江戸を追われた半太郎(勘三郎)が江戸を思って川辺にいたところ、
身投げをした薄幸の酌婦お仲(玉三郎)を助ける。
二心がなく、男らしい半太郎に心底惚れたお仲が後を追い夫婦になるも、
お仲が病に倒れてしまう。
それでも博打がやめられなかった半太郎を心配し、
お仲は戒めの骰子の刺青を半太郎に彫る。
お仲の命が短いことを知り、最期にいい思いをさせようと
賭場に乗り込んだ半太郎だが、叩き出されてしまう。
そこで出会った鮫の政五郎という親分に話を持ちかけられ、
最期の命を懸けた大勝負に出る…
本当に、涙なしには観られない一本でした。
まず、動いている勘三郎さんに涙。
本当にもういないんだろうか…
ただただ寂しい…
そして、やっぱり勘三郎さんも玉三郎さんもすごい。
ただただすごい。
半太郎に刺青を入れるところで
とめどなく流れる二人の涙を観て、こちらも涙涙…
そして、仁左衛門演じる大親分の心意気がまた粋です。
まさに『任侠』って感じ。
いわゆる、「歌舞伎」(豪華な衣装で見得を切っているような)ではなく、
しっとりとした、台詞もわかりやすいお芝居です。
どんなに勘三郎さんが素晴らしい役者さんだったか、
是非観て、知っていただきたい一本です。