人生80年、それは四季に例える事が出来るという。

『春』 木々草花が芽吹き、生命の誕生と瑞々しさが人生の始まりを感じさせ
てくれる頃。
『夏』 痛いほど強く降りそそぐ日の光を全身に受け、力強く枝葉を茂らせ、
来るべき時に備えて広く、そして深く根を張る大樹が如く。
『秋』 輝ける刻に、蓄えた力を存分に奮い、色づき、そして実を結ぶ。
『冬』 三つの季節を通り過ぎ、ようやく四季を知る。

四季で言えば夏の終わりを迎えた私の人生。
果たして広く深く根を張ることが出来ただろうか?
秋の輝ける刻に色づき、実を結ぶことができるほど枝葉を茂らせ、力を蓄える
ことが出来たのだろうか?
しかし、たとえそれが適わずとも、一筆書きの人生はそれを取りに戻ることは
許されない。
振り返り、振り返り、だんだんと遠くなっていくその忘れ物を、ただ見つめる
だけ・・・

公園からの帰り道、まだ幼い娘の手を引き眺める夕焼けに染まった西の空は、
昨日より今日、今日よりも明日、暮れゆく時間を着実に早めていた。