ごそごそ、と腕に抱かれたセリカが智鳥に無言で呼びかける。死んだ魚のような目が、
『ナントカシロヨ』と訴えかけてきた。飲み始めてから既に古時計の長針が一回転してい
る。
 怪しい瓶『響』は十数回おちょこを傾けていて中身は半分ちかくにまで減っている。勿
体ない。
 彼女(なのか?)は、くだを撒くでも、からむでもなく、ただ杯を重ねるだけでたいし
た被害は無かった。
 しかしどうにも空気が重い。

 ・・・・・・・・・・。 
 これからどうしたものだろう。智鳥のため息がそう云った。