ジェンガの中のお宝本
土曜日、とある高校の進学説明会に二男と家内を連れて行った。
家内はペーパードライバーの大御所なので、自ずと僕は運転手役になる。
この高校、先月、塾の先生に薦められ二男を連れて学校案内を取りに行っている。
不意の訪問にも関わらず、入試担当の方が丁寧に学校を案内して下さり、
二男はその学校の雰囲気をいたく気に入ってしまったようだ。
ただ、尋常ではない競争率で、レベルが一気にあがっている。
今の二男の実力で推薦が貰えるのだろうか?と、言った所だ。
そんな訳で、店はスタッフに任せ、まる一日を進学説明会に費やした。
僕は、折角だから説明会が終わった後のクラブ見学に参加する事にした。
で、二男と家内を門前で降ろし、待ち時間を近くの公園で過ごす事にした。
途中、コンビニでサンドイッチとジュースを買い、
ベンチに腰掛けショルダーバッグの中からごそごそと本を取り出して・・・
こざっぱりした紳士が公園のベンチで読書をする。絵になるではないか。
と、思ってもらいたいが、ジーンズによれよれのジャケットを羽織った姿は
通りすがりの警察官から尋問を受けそうな気配を発している。
肌寒かったが、公園は懐かしい匂いがした。
大きな木の向こうを覗くと、子供時代の僕たちが
キャッキャッ言いながら、転がり出て来そうな気がする。
空を見上げると、ちぎれた雲の群れが足早に流れていく。
昔は、こうして飽きもせず流れる雲をいつまでも眺めていたものだ。
翌日、店に行くと買取依頼品が山のように積み上がっていた。
その上、便利屋から商談時間を取れないかと連絡があった。
さらには来客につぐ来客が。
そんなこんなで、一日休んだしわ寄せはぶっきらぼうに店のドアを押し開け、
ドカドカと足音を立てて入ってきた。
結局、店を閉めてから買取査定に掛からざるを得なくなった。
こうして有難くも買取はあるが、一昔前を思うと段違いに減った。
こんな田舎町でも、当時は日々数人が買取に掛かりっきりだった。
在庫は店を飛び出し、別に倉庫を持つ店も珍しくなかったのではなかろうか。
ただ、めたらやたらコミックが多かったような気がする。
コレクター向きのコミックもよく手に入った。
店頭売りが主だった町の古本屋はそれはそれで良かった。
話が飛んだ。
・・・ふと無造作に積まれた山の中に面白い本を見つけてしまった。
僕は、ジェンガのようにその一冊を引き抜いた。
思わず「おお~」と声がでる。
状態もかなり良い。よくぞ持ってきた!という感じだ。

『心理試験 完全復刻版』江戸川乱歩著。
生誕100年を記念して復刻されたものだ。
春陽堂から大正14年に刊行されたものを、完全復刻した探偵小説集で、
表題作「心理試験」ほか10作品が収録されている。
勿論、旧仮名遣いなので読みづらくはあるが、何とも趣がある。
江戸川乱歩、日本はミステリー作家が生まれない土壌であるかも知れないと言われた時代に、
彗星のごとく現れた天才。
こんな本がひょいっと手に入る古本屋は、やはり魅力に富んでいる。
古本屋をしていて良かったと思う一瞬だ。
家内はペーパードライバーの大御所なので、自ずと僕は運転手役になる。
この高校、先月、塾の先生に薦められ二男を連れて学校案内を取りに行っている。
不意の訪問にも関わらず、入試担当の方が丁寧に学校を案内して下さり、
二男はその学校の雰囲気をいたく気に入ってしまったようだ。
ただ、尋常ではない競争率で、レベルが一気にあがっている。
今の二男の実力で推薦が貰えるのだろうか?と、言った所だ。
そんな訳で、店はスタッフに任せ、まる一日を進学説明会に費やした。
僕は、折角だから説明会が終わった後のクラブ見学に参加する事にした。
で、二男と家内を門前で降ろし、待ち時間を近くの公園で過ごす事にした。
途中、コンビニでサンドイッチとジュースを買い、
ベンチに腰掛けショルダーバッグの中からごそごそと本を取り出して・・・
こざっぱりした紳士が公園のベンチで読書をする。絵になるではないか。
と、思ってもらいたいが、ジーンズによれよれのジャケットを羽織った姿は
通りすがりの警察官から尋問を受けそうな気配を発している。
肌寒かったが、公園は懐かしい匂いがした。
大きな木の向こうを覗くと、子供時代の僕たちが
キャッキャッ言いながら、転がり出て来そうな気がする。
空を見上げると、ちぎれた雲の群れが足早に流れていく。
昔は、こうして飽きもせず流れる雲をいつまでも眺めていたものだ。
翌日、店に行くと買取依頼品が山のように積み上がっていた。
その上、便利屋から商談時間を取れないかと連絡があった。
さらには来客につぐ来客が。
そんなこんなで、一日休んだしわ寄せはぶっきらぼうに店のドアを押し開け、
ドカドカと足音を立てて入ってきた。
結局、店を閉めてから買取査定に掛からざるを得なくなった。
こうして有難くも買取はあるが、一昔前を思うと段違いに減った。
こんな田舎町でも、当時は日々数人が買取に掛かりっきりだった。
在庫は店を飛び出し、別に倉庫を持つ店も珍しくなかったのではなかろうか。
ただ、めたらやたらコミックが多かったような気がする。
コレクター向きのコミックもよく手に入った。
店頭売りが主だった町の古本屋はそれはそれで良かった。
話が飛んだ。
・・・ふと無造作に積まれた山の中に面白い本を見つけてしまった。
僕は、ジェンガのようにその一冊を引き抜いた。
思わず「おお~」と声がでる。
状態もかなり良い。よくぞ持ってきた!という感じだ。

『心理試験 完全復刻版』江戸川乱歩著。
生誕100年を記念して復刻されたものだ。
春陽堂から大正14年に刊行されたものを、完全復刻した探偵小説集で、
表題作「心理試験」ほか10作品が収録されている。
勿論、旧仮名遣いなので読みづらくはあるが、何とも趣がある。
江戸川乱歩、日本はミステリー作家が生まれない土壌であるかも知れないと言われた時代に、
彗星のごとく現れた天才。
こんな本がひょいっと手に入る古本屋は、やはり魅力に富んでいる。
古本屋をしていて良かったと思う一瞬だ。