レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -152ページ目

成穂堂、ルーフ工事を請け負う

先週の事。骨董の師匠からちょっと頼みたい事があると、連絡があった。

「以前一緒に伺ったAさん宅覚えてるか?」と師匠。

僕は頷いた。

「そのAさんがガレージルーフを取り替えたいと言う事やねんけどな」

はて?・・・

「へい」と、僕は間の抜けた返事をした。

「Aさんには任せときと言うたものの、ワシちょっと疲れを出してな。いやまあ、どこが悪い訳でもない。心配はいらんで」と。

「無理はあきません。ゆっくり休んで下さいな」

師匠は相槌をうちながら「そこで相談やがな」と。

「大工さん探せば良いのですね」

「いや、違うねん」

「と言いますと?」

「kenさん、出来まっしゃろ。頼むわ」

「ええ〜!」

師匠は、何でもござれの器用な人だ。その感覚で人を見られても困る。

「師匠、おいらルーフの取り替えなんてした事おませんがな。それに見積どうしますの?」と、言ったが

師匠は「何とかなるもんや。先方には、今日にでも成穂堂から電話が入るから宜しくと言うてある」と。

やるもやらぬも既に出来上がった話か・・・

翌日、現場を見に行くと、ガレージルーフは予想よりでかい。

素人なりに、ちょっとこれは宜しくないと思える。

いやいや、素人だからこそ、そう思うのか。

かと言って、頼りない仕事は出来ない。

どう考えても、大工である知人を引きずり込むのが最善の策だ。

という事で、その夜、僕は知人を奇襲した。勿論、武器はビールだ。

知人にガレージの写真を見せながら説明すると

「えっ、どうなってるのこれ?明日、現場見に行こ。何にしても引き受けたら良いわ」と。

ひと段落ついて、師匠に「ルーフ工事、何とかなりますわ」と電話をすると

師匠は「そやろ、出来そうやろ。kenさん、そうやって兎に角、前向きに動く事や。それが人をつくる」と、笑いながら電話を切った。

師匠は常日頃から、出来ない理由を考えるより、どうしたら出来るかを考えるんや。と、仰る。

もう一つ、我が手に負えない事は、それが出来る人間を探し出せば良いと。

今回は、何か嵌められた気がするよなあ。