成穂堂、ルーフ工事を請け負う
先週の事。骨董の師匠からちょっと頼みたい事があると、連絡があった。
「以前一緒に伺ったAさん宅覚えてるか?」と師匠。
僕は頷いた。
「そのAさんがガレージルーフを取り替えたいと言う事やねんけどな」
はて?・・・
「へい」と、僕は間の抜けた返事をした。
「Aさんには任せときと言うたものの、ワシちょっと疲れを出してな。いやまあ、どこが悪い訳でもない。心配はいらんで」と。
「無理はあきません。ゆっくり休んで下さいな」
師匠は相槌をうちながら「そこで相談やがな」と。
「大工さん探せば良いのですね」
「いや、違うねん」
「と言いますと?」
「kenさん、出来まっしゃろ。頼むわ」
「ええ〜!」
師匠は、何でもござれの器用な人だ。その感覚で人を見られても困る。
「師匠、おいらルーフの取り替えなんてした事おませんがな。それに見積どうしますの?」と、言ったが
師匠は「何とかなるもんや。先方には、今日にでも成穂堂から電話が入るから宜しくと言うてある」と。
やるもやらぬも既に出来上がった話か・・・
翌日、現場を見に行くと、ガレージルーフは予想よりでかい。
素人なりに、ちょっとこれは宜しくないと思える。
いやいや、素人だからこそ、そう思うのか。
かと言って、頼りない仕事は出来ない。
どう考えても、大工である知人を引きずり込むのが最善の策だ。
という事で、その夜、僕は知人を奇襲した。勿論、武器はビールだ。
知人にガレージの写真を見せながら説明すると
「えっ、どうなってるのこれ?明日、現場見に行こ。何にしても引き受けたら良いわ」と。
ひと段落ついて、師匠に「ルーフ工事、何とかなりますわ」と電話をすると
師匠は「そやろ、出来そうやろ。kenさん、そうやって兎に角、前向きに動く事や。それが人をつくる」と、笑いながら電話を切った。
師匠は常日頃から、出来ない理由を考えるより、どうしたら出来るかを考えるんや。と、仰る。
もう一つ、我が手に負えない事は、それが出来る人間を探し出せば良いと。
今回は、何か嵌められた気がするよなあ。