歌のタイトルのように
学生時代の友人の訃報を知らせるハガキが届いた。
いくら目を凝らしてみても、そのハガキは友の死を知らせるものだった。
あまりに唐突な知らせに、状況がうまく整理できないまま、僕はしばらくそのハガキを眺めていた。
普段なら、皆駆けつける事が出来る距離にいるのに。
何も知らせて来ず、全てが終わってから、このハガキが届いた。
丁寧に手書きで書かれた筆字から、奥さんの思いが伝わって来る。
何も知らせて来なかったのは、何かしら信念があっての事なのだろう。
一瞬、電話をしようかと思ったが、思いとどまった。
何事もなかったかのように淡々と過ごすのが良いような気がした。
僕たちが出会ったのは、十九歳の時だった。
それから随分時が流れたといえば流れた。
大学を卒業してからも、僕たちは定期的に集まった。
やがて、それなりに皆結婚し、子を成し、集まる事も少なくなっていった。
そんな中、大親友が急逝した。
二十年前の事だ。
それを機に僕たちは、集まる事がなくなった。
「集まるか」と声は掛け合うが、それだけにとどまった。
何故そうなったのかは分からない。
「おい、皆んな、なるべくやりたい事をやっておこうや」
きっとこのハガキを受取った連中は、独り言のようにそう言っているだろう。
少し手を止めると、いつも笑い顔で話しかけてきた奴の顔が浮かぶ。
しばらくの間、少しもの悲しい日が続くのだろう。
こうして人の心には、雪のような悲しみが、静かに降り積もっていくのだろうか。
いつか見たあの眩いような光を、僕たちはまた見ることがあるのだろうか。