赤ちゃんはどうやって言葉を使えるようになるのか。諸説あるそうだが、一つ確かそうなのは、他人、特に、お母さんとのコミュニケーションだ。


難聴の赤ちゃんは、まず自分の声を自分で聞けないと、声の存在がわからない。補聴器をつけると、自分の声を聞けるレベルまで、大きな声を出す。


最初は発した声が聞こえるのが、とってもおもしろいから、何度も試す。でも、もし一人でいたら、赤ちゃんはそのうち飽きて、声を出すのをやめてしまう。 そこに誰かがいて、赤ちゃんの声に優しく、何度でも反応してくれると、声は相手の注意を引き付けることがわかって、何度でも声を出して試す。この単純なやり取りが、コミュニケーションの成立を理解する糸口になる。


ヒトはこんなに小さな時から、自分のコミュニケーション能力を発達させるために、他人との関係に頼っている。


言葉を獲得した大人だって、コミュニケーションには他人を必要とする。


周囲の人から何か信号が発せられたら、簡単でいいから、きちんと返す。そのレスポンスの連続を、コミュニケーションの成立というのだ。レスポンスがとても暖かで、気持ちの良いものであったら、受けた側も気持ち良い。とっても単純だ。


なのに何故か、そんな単純なことをすぐ忘れてしまう。

最近あんまり大切な人とコミュニケーションが成立してない気がする。そういう時、相手の信号にちょっと応えることを忘れてるのかもしれない。