郷に入れば、郷に従え | 日本とスペインをつなぐ架け橋 原田郁美

郷に入れば、郷に従え

久しぶりのブログ。

いつもこのブログを楽しみにしてくれている父が、「大丈夫ですか?」とメールをくれました。心配かけてごめんね。体調も全て快調!カタルーニャ語の個人授業も五回目が過ぎ、まだしゃべるのはかたこと以下ですが、みんなの会話はかなり聞き取れるようになりました。

以前は、家族の会話も、最初は私に気を遣ってスペイン語で話してくれるものの、三分後にはカタルーニャ語になるので、理解できず、疎外感を感じたり、「スペイン語がみんな話せるくせに、私がいるのにカタルーニャ語を話すなんて、意地悪してるのかな?」なんて、ネガティブに落ち込んだ時もありましたが、きちんと腹をくくって勉強するぞ!と決め、実際勉強を始めた途端いろいろな言葉が理解できてきました。

閉じていたのは、私の方だったんだ、とハッと気づきました。

先日も、数年前からグリフォイデクララのワインのファンでいてくださるお客様が、マンレッサから二時間半かけて十五人、車五台でエルモラールを訪れました。ワイナリーでの試飲会はもちろん皆カタルーニャ語。私はまだかたことなのでスペイン語で話すと、あるお客様が、

「まずはカタルーニャ語を勉強しなくちゃダメだよ」

と言われたので、かたことで、毎週二回個人教授について勉強している、というと、パッと笑顔になり、心を開いてくださったのは印象的でした。

試飲会の最後は、日本についての質問大会になりました。

寿司のこと、茶道のこと、マンガのこと、皆の質問は途絶えません。「新婚旅行に日本に行きたい!」と言う女性もいて、とても嬉しかったです。

この土地でカタルーニャ語を話すということは、ここの文化を受け入れようとしていることで、心を開こうとしているサイン。こちらが歩みよれば、鏡のように、皆も歩みよってくれるんだ、という大切なことを思い出しました。

今、スペイン国内だけでなく、ヨーロッパでも、カタルーニャの独立について騒がれています。私は独立や、政治的なことには興味ありませんが、ここに住んでいるのだから、「郷に入れば、郷に従え。」という気持ちを常に持ち、この土地の文化を受け入れ尊重しなくてはいけないと思いました。

実はここだけの話、カタルーニャ語恐怖症でしたが、克服の日はすぐそこまで来ている、そんな気がする、後三日でプリオラート生活一周年になる、冬の日の午後なのでした。

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今年最初のカルソッツ。
カタルーニャの代表的な冬の郷土料理。ロメスコソースでいただきます。





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