桐野夏生『ポリティコン』(上)(下)

桐野夏生が好きだ。
桐野作品、けっこう読んでる。
重松清と並ぶくらいの冊数を読んでいるはずだ。

重松清と桐野夏生が好きな作家だが、タイプが違うようで、双方とも人間の本質を描いているような気がする。

重松は、日常を通した人間の優しさ、強さと弱さ、良心を、桐野は非日常的な日常の中での人間の貪欲さ、汚さ、弱さ、悪を描いていると自分は解釈する。




先日読んだ『ポリティコン』には、笑ってしまうくらい善人が出てこない。
善人のようで、実は自身は弱く、他人任せな人間で、でも内面にはドロドロした感情が蠢いている。

どいつもこいつも自分勝手で、思うようにならないと駄々をこねまくるくせに、流れに身をまかされているようで、まるで子ども。

だからかな、おもしろいって感じるのは。善人ばかり出てきて、ハッピーエンドで終わる日常のほうが非現実的な気持ちがする。

ただ、ある意味この結末はハッピーエンドだったのでは…と思ってしまった。