8月に「「珍島物語」と「ドラえもんのうた」」「「서울(ソウル)」って意外と難しい」という、韓国語の発音関連の記事を書いたのですが。

上の2つの記事を書きながら、またひとつ、学生時代の失敗談を思い出していました。

(そのときに、あとで書こうとメモはしておいたんですけどね^^; やっと書きます…。)



大学2年、専攻の韓国語の授業で。

テキストの音読に当てられて、私は本文を読んでいました。

当時、私は音読が大の苦手でした。

ただでさえ日本語にない発音の多い韓国語。

しかも、ハングルは表音文字でありながら、書いたとおりに読まないことの何と多いこと!

加えて、同級生と先生の前で声を出して読む緊張感。

それでも、当てられたので必死になって読みました。

読み終わって先生を見ると、先生が首をひねっています。

「열무김치(ヨルムキムチ)って、もう一度言ってみて。」



열무(ヨルム)というのは、根っこが小さくて葉っぱがわさわさしている大根の一種。


そのヨルムで漬けたキムチが、ヨルムキムチです。

(ヨルム、ヨルムキムチ共に、写真はお借りしました。)

内容は忘れてしまいましたが、本文の中にヨルムキムチが出てきていました。



先生がもう一度言えと言うので、「ヨルムキムチ」と言うと、先生は何やら考え込んで、黒板に열무と書きました。

「読んでみて。」

「ヨルム。」

先生は次に、여름と書きました。

書かれた2つの単語を見て、私はようやく、自分の間違いに気がつきました。

열무(yeol mu ヨル・ム;大根の一種)
여름(yeo reum ヨ・ルム;夏)

先生が、「これは?」と여름(夏)のほうを指します。

「여름(「ヨォ・ルム」という感じで)」

「こっちは?」(と、再び大根のほうを指す先生。)

「열무(「ヨル・ムゥ」という感じで。)」

先生はうんうんとうなずき、音読は次の人に回りました。



大学2年、韓国語を1年以上勉強してきたというのに、まだろくに発音ができていない…!

しばらく、授業は上の空でしたね…(;´▽`A``

でも、おかげで、拍の感覚や「우(ウ)」の発音に気をつけるようになりました。



ほんと、「「서울(ソウル)」って意外と難しい」でも書きましたけど、「우(ウ)」って意外と盲点です。

最初に文字と発音を習うとき、2つある「ウ」のうち、日本語にない「으(口を横に引っ張って「ウ」)のほうが注目されがちですけど。

「우」も、日本語よりもっと口をすぼめて「ウ」と言わなくてはならないわけで、やっぱり注意が必要です。



あと、日本語の発音法則に引っ張られたなー、と。

(日本語の「う」は、とても弱くて曖昧な音であること。日本語の1音節は(「ん」「っ」を除いて)母音で終わること。)

無意識のうちに身に着けた母語であるがために、無意識のうちに口から出てしまう音…。

それが、「大根」が「夏」になってしまった原因かと……だいぶ後になって整理できました。



音読については、今はかなりマシになったと思います。

だって、子供に本読んであげなきゃいけませんでしたから。

易しい(短い)ものから順々に、ゆっくり、はっきり、何度も!! 読んでいるうちに、自然と訓練されてきたみたい。

でも、ただの音読だと自己流に読んでしまう可能性が高いので、勉強のためなら「音声教材を聞きながら一緒に読む」ことをおすすめします。