地下鉄の駅から地上に出ると、車内の寒さとはうって変わって、湿り気を帯びた梅雨の空気が肌にまとわりつく。
そんな日に西浅草を訪ねた。
雷門、仲見世、六区の賑わいを抜け、国際通りを渡ると、さっきまでの喧騒が嘘のように消え、静かな住宅街が広がる。
昔からお付き合いのある地元の方と、しばし浅草界隈の今昔話に花を咲かせた。
近年は雷門周辺の地価高騰の影響がこの静かな街にも及び、税金ばかりが高くなって、と嘆き節。
賑やかな浅草と合羽橋道具街に挟まれた静な街は「国際通りから西は浅草じゃぁねぇよ」
そんな言い方をする人もいるそうだが、この辺りこそ昔ながらの浅草らしい風情を残しているように思える。
知り合いの家を辞し、再び賑やかな浅草方面へ。
国際通りの向こうには六区、そしてその先にはスカイツリー。
まさに令和の浅草らしい景色である。
家族と合流するため、人通りの少ない裏通りを抜けて待ち合わせの雷門へ。
雷門は、待ち合わせ場所としてはベタ中のベタだが・・
見渡す限りインバウンドの観光客であふれている。
築地もそうだが、店先から聞こえてくるのは流暢なビジネス英語ばかり。
「日本はド~なっちまったノダ?!?」
そんな言葉が思わず頭をよぎる。
まだ時間があったので、向かいの文化観光センターへ。
展望スペースから眺める台東区の街並みは実にフラットだ。
先日歩いた港区のような坂や高低差はほとんどなく、改めて地形の違いを実感する。
その後、家族と合流し、祭礼用品の店を何軒か巡る。
浅草は祭り用品の宝庫。
品揃えは豊富。
見ているだけでも楽しい。
国際通りに面した店へ向かう途中、昭和の香りがプンプンする喫茶店が目に入る。
そういえば数か月前、友人と入った店だ。
その時、メニューで目に止まったのが「カプチーノ」の文字。
「昭和の喫茶店にしては、なかなか洒落てるじゃねぇか」と注文。
しばらくして運ばれてきたのは──
コーヒーにふんわり浮かぶ生クリーム・・・・・
添えられた葉巻のように長いシナモンスティック・・・・・
・・・・まさに昭和の「じゃぱにぃず かぷちぃの」
賑わいの浅草の片隅に、昔の浅草は今も静かに息づいていた。















