世界は燃える。闇の炎に包まれながら。
これで彼が救えるのなら、
これで彼が手に入るのなら、
オレは後悔なんてしなかった。
悪魔が魔王に払った代償。
彼を救う代償。
それは…一つの村。
彼を嫌い、虐めた者も、
彼を愛で、愛した者も、
全てを犠牲に、彼を助けた。
悪魔は死なない。
だから、自身も村と共に魔王に売った。
彼に比べれば、こんな代償たやすいものだ。
その後、村は焼き尽くされた。
式が終わった直後に魔物の大群が攻めてきたのだ。
スピル以外の者は泣くか抵抗するかして、みな死んでいった。
そしてスピルは旅に出た――。
悪魔は彼を愛していた。
彼は悪魔を愛でていた。
その関係はあまりにも複雑で、あまりにも悲しくて…
彼は――嫉妬の闇に堕ちた悪魔。